「八王子七福神会」の代表をつとめる 西村 和裕さん 台町在住 50歳
開運行事 街に活気を
○…35年ほど前から続く招福開運行事「七福神めぐり」。元日から1月10日頃まで行われ、例年市内外から1万人ほどが参加する。「自分が幼い頃は街中にデパートがあり八王子は誇らしかった。七福神めぐりを機に八王子が少しでも活気づけば」。市内の対象「8」寺院を歩いてめぐると3時間30分程度。「年初めの願掛けの意味はもちろんですが、健康促進のために参加する人も多いですよ」
〇…開創は1590年(天正18年)。425年の歴史を持つ寺院「信松院(しんしょういん)」(台町)の長男に生まれる。小さい頃の夢はパイロット。小学校高学年になると、得度(とくど)式(断髪等)をし、仏の道へ。仏教の環境が整った中学に進学するも「友達と違う所へ行くのが寂しくて。5月病になりましたよ」と笑って振り返る。駒澤大学仏教学部を卒業後、大本山で修業。1年間100人程度で集団生活を送った。「邪悪なものが消えていく。スカッとしました」と、終えた時の感想を話す。「辛さに耐えて鍛えられた。今になっても自分に対して強くなれる」。その後、寺の職務に従事しながら法戦(ほっせん)式、晋山(しんざん)式を経て、48歳のとき、正式に住職(第30代)となった。
○…スキー、スノボ、ウェイクボードと、アクティブな趣味を持つ。「でも今は体が動かなくなったから」と、料理に夢中。水でなく紅茶で煮込むカレーは周囲に好評で、昨年テレビが寺院を取材した際にも紹介された。調理師免許も持つ。
○…時にはカッとなることもある。「修行の一環。水に流す。嫌なことは頭に残さない」。大らかな心はこうして形成されていく。来年4月には同院で眠る武田信玄の息女、「松姫さま」の400年忌が行われる。「100年忌の資料はあるが、2、300年の時のものがない。500年の代の住職が困らないようにも、しっかり歴史を残したい」。妻、小3の長女、そして両親と5人暮らし。その笑顔はしっかり福を招いてくれそうだ。
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