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拓殖大学教授で筑摩書房から新書「日本を救う未来の農業」を上梓した 竹下 正哲(まさのり)さん 打越町在住 48歳

掲載号:2019年9月26日号

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危機にこそ希望はある

 ○…出版のきっかけは「日本の農業は壊滅するかもしれない」という危機感だ。「オランダのトマトは同じ面積で日本の8倍採れます。当然価格も安くなる」。すでに世界では衛星画像やクラウドシステムを使った効率的な農業が当たり前になっているという。「『AI農業など邪道』という意見もあるでしょう。私も同意です。しかし、正しいものが生き残るとは限らない。進化しなければいけない」

 ○…千葉県出身。北海道大学に進み、大学院修士課程修了後に青年海外協力隊としてエチオピアに。そこで目の当たりにしたのは貧しさから、協力隊が植林した苗を抜いて薪として使う現地の人々の生活だった。「畑や果樹など収穫できるものでないといけない」。この思いが復学して改めて農業を学ぶきっかけになった。

 ○…20歳頃から小説家を志望し、復学した大学院時代の29歳のときに第15回太宰治賞を受賞。しかし、それだけでは暮らしていけなかった。30歳を過ぎても定職に就けず、「明日のパンも買えない」ほど貧しかった。そんな中、それまで見向きもしなかったリンカーンやエジソンなど偉人の本を読み漁った。「みんな挫折していた。共通する答えは『心のありよう』だった」。それからは「心だけはハッピーに」と前を向いたところ、一時はあきらめかけた博士号を取得。大学講師の職も得た。

 ○…拓殖大学で「日本唯一の文系の農業」を開拓。当初は「理論は知っていても栽培方法を知らなかった」。そこで地元農家に弟子入りもした。学生を連れて山梨県の農家集団と一緒に耕作放棄地を復活させる企画も始動。学生が会社を立ち上げて収益を上げる予定だ。「ビジネスとして成立すれば、若者も入ってくる」。農業が危機的だからこそ、変革のチャンスでもあると希望を見出している。

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