今年30周年を迎える宇津貫みどりの会の会長を務める 城所 幸子さん 兵衛在住 71歳
30年で築いた「愛おしい場所」
○…会発足当初から在籍し活動30年。開発で伐採される屋敷林の保護を求めて活動していた友人から誘われたことがきっかけ。「樹木も山野草のことも全然知らなくて」と笑って振り返る。草刈り、間伐、落ち葉履きなど、仲間と一緒に里山の手入れをし続けてきた。現在も約580種の植物が生息する。活動を続けて来られたのは「この場所を愛おしく感じているから」という。
○…相模原市出身。3人きょうだいの長女で「大人しい性格」だった。理容室を営む家を手伝うため高校は夜間へ通った。大学進学の思いもあったが厳格で病弱な父親をみて「自分が継ぐ」と理容師の免許を取得。「始めは挨拶も言えなかった」とか。その後、店をやる意思のあった弟に任せて結婚。夫の地元、八王子へ。自然豊かな農村地帯は子育て向きだが「不便さを感じていた」とも。だが開発で山が削られる様子に衝撃を受けた。「田んぼの畔道に咲く植物も無くなるのか」と不安になった。
○…50代のとき、美術部だった学生以来、絵筆をとり絵を描いている。主に風景画。「色々忘れて集中できる」時間が大切だという。オカリナ、山登り、お茶など多趣味。共通するのは「その場にいると気持ちがいい」こと。母親から「子育てが終わったら好きなことをやりなよ」と言われたことがあり、言葉の通り、謳歌している。
○…自身を活動に誘った友人は会の初代会長だった。「鎌すら持ったことのない主婦たちがここまでできたのは会長が熱意を貫く人だったから」と尊敬の念を抱く。当時は批判の声もあった活動は、現在、地域から感心の声が寄せられる。「活動が認められるようになったかな。いい仲間に恵まれたことが大きいわね」とほほ笑む。
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