神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
八王子版 公開:2023年11月2日 エリアトップへ

多摩美大生木下さん 「経験、誰かの支えに」 自殺予防動画コン 優秀賞

社会

公開:2023年11月2日

  • X
  • LINE
  • hatena
受賞動画の映るタブレットを手にする木下さん
受賞動画の映るタブレットを手にする木下さん

 多摩美術大学情報デザイン学科2年の木下望有(みゆう)さん(24)がこのほど、自殺予防の啓発を目的とした「いのち支える動画コンテスト2023」の「セルフケア・SOS部門」で優秀賞を獲得した。木下さんは受賞を受け、「自分も悩みが絶えない若者の一人。誰もが抱える不安を表現することで、誰かの支えになれたら」と喜びを語った。

 同コンテストを主催したのは、(一社)いのち支える自殺対策推進センター(千代田区)。今年初めて学生を対象に作品を募集し、9月10日から16日に設けられた自殺予防週間に合わせて優秀賞4作品を発表した。

 主催者によると、学生を対象としたのは、若者の自殺が深刻化する中で当事者目線で自殺問題を「自分ごと」化してもらいたいという思いから。厚生労働省や文部科学省、こども家庭庁などが後援。「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現へ〜いまあなたが伝えたいこと〜」をテーマに、今年4月に絵コンテによるショートムービーのアイデアを募集した。応募は138作品で、1次審査で10作品に絞られ、2次審査を経て4作品の受賞が決まった。受賞作はその後、学生自身が映像化した。

アニメならでは「文字」活かし

 セルフケア・SOS部門で優秀賞を受賞したのは、木下さんのアニメーション動画『伝わるよ。』。主人公は日常生活を送る中で、人間関係や将来など、不安な思いが「文字」となって腕の皮膚を駆け巡って行く。消えない悩みに囚われるが、最後は話を聞いてくれる友人が現れ、救われるまでを一人称目線で描いた。悩みに追い詰められる心理描写を、アニメーションだからこそできる表現方法で表した力作だ。

 在籍する情報デザイン学科ではメディア芸術コースを専攻しており、アニメーションの制作経験もあった木下さん。5月頃コンテストのことを知り、美大受験期に悩みを抱えていた経験から応募を考えたが、迷いがあり、すぐに作品づくりには至らなかった。「ただずっと頭の奥に残っていて、最後の最後で出品を決めた」と振り返る。受賞作に決まった後、「夏休みをアニメづくりに全部費やした」という。

 作画には、実際に撮影した実写を元に作画する「ロトスコープ」という手法を採用した。自分の服にカメラを付け、友人に相手役をしてもらい、「自分目線」で記録。「すべての線を描き起こすのではなく、どこまで線化するかで、手描きの温かみが変わってくる」とこだわった点を説明する。受賞を受け、「自分の気持ちを打ち明けるのは勇気がいるが、とても大事なこと」と相談する大切さを呼びかけた。

 同部門では他に、筑波大大学院生が優秀賞を受賞。「ゲートキーパー部門」では佐賀県の高校1年生、金沢工業大学の大学院生2人組が優秀賞を受賞した。

 木下さんをはじめ、他の受賞作の動画は同法人のホームページで公開されている。

八王子版のトップニュース最新6

八王子の新本社が始動

オリンパス株式会社

八王子の新本社が始動

世界的企業の拠点に

4月25日

利用実態を解明へ

2月終了桑都ペイ

利用実態を解明へ

中央大が市と共同研究

4月25日

「八学」が準優勝

⾼校男子バスケ大会

「八学」が準優勝

全国16校がしのぎ削る

4月18日

「ごみ少ない街」で連覇

八王子市

「ごみ少ない街」で連覇

リサイクル率は2位継続

4月18日

ハチオウジゾウ 故郷へ

ハチオウジゾウ 故郷へ

化石 発見者が市に寄贈

4月11日

スノボ全日本で優勝

難波空良さん

スノボ全日本で優勝

手術乗り越え 来季プロに 

4月11日

あっとほーむデスク

  • 4月18日0:00更新

  • 12月14日0:00更新

  • 11月23日0:00更新

八王子版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月27日号

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook