八王子流鏑馬(やぶさめ)武道推進委員会の委員長をつとめる 石本 久雄さん 石川町在住 69歳
「本物見せたい」ハートで動く
○…砂埃をあげ観衆の前を時速50Kmで疾走する馬の上から、平安・鎌倉時代の装束(しょうぞく)の射手が勢いよく矢を放つ――。昨年10月、上壱分方町で神事・流鏑馬を企画した。予想を大きく上回る来場があり、「感無量。事故がなく終わって良かった。成功したと思う」と振り返る。2回目となる今年は会場を浅川河川敷に変えて10月9日(日)に開催する。
○…愛知県の半島で農家の長男として生まれた。子どもの頃はいわゆる「ガキ大将」。高校時代はバイトに明け暮れ親に内緒でステレオを買ったことも。卒業するとモータースポーツに興じレースにも参加した。海外暮らしを経て上京。八王子で不動産、飲食業などに携わったのちガーデニング会社を立ち上げた。現在は高齢者等の移送を手伝う福祉有償運送事業に従事する。趣味は海釣り。この夏は長男とクルーズを楽しんだ。
○…動物好きが高じて15年ほど前からポニーを飼っている。ポニーと子どもが触れ合う機会を創出するため10年前、NPOを立ち上げた。現在は市内の児童館等をまわり年間70回ほどその場を設けている。「未来を担う子どもたちのために役に立てないか」。流鏑馬の開催を決めたこともその思いが強い。「八王子は歴史のある街。本物を見せたい」。当日登場する馬は全て、戦国時代に武士を支えた馬の子孫、日本在来馬だ。
○…昨年の夏のはじめ、「10月に八王子でやりたいね」と流鏑馬の世界で名をはせる友人に誘われた。「やってみるか」――。しかし残された時間はわずか3ヵ月。会場探しもゼロから。「死にもの狂いでやった。当日はクタクタで何も見ていない」。その行動力の原点について「亥年でB型だからさ」と笑って話す。周りからは「ハートでやってくる人」と言われることも。「やりたいことをやってきたから悔いはないよ。欲しいものも特にないし。流鏑馬はずっと続くようにしたいね」。ポニーの牧場を作ることが今後の夢だそう。
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