第20回アシテジ(国際児童青少年舞台芸術協会)世界大会の実行委員長を務めた 森田 勝也さん 松木在住 75歳
演劇が育む想像力伝え
○…「何はともあれ、やり終えてほっとした」と、安どの表情を浮かべる。本格的な準備に取り掛かり丸2年。開催が決まったときは希望に胸を膨らませた。だが、コロナ禍で一変。3000人を予定していた海外の来場者の来日も中止に。それでも「どんな形でもやるしかない」と決心は固かった。「子どもの成長に文化芸術が重要だという認識が甘い。開催で基盤は築けたのでは」と手応えを感じている。
○…生まれは札幌。大学まで故郷で暮らした。彫刻家を志すが「個に集中するタイプではない」と、上京して小学校の教員に。たまたま演劇クラブを受け持った。いい本がない、と自ら脚本を手掛けるようになると、児童の個性を生かしたい気持ちが芽生える。「どんな子でも表現したいことがあるのが本当。それをすくえるのが演劇だな」と気が付いた。演劇部の顧問になるため中学校の教員免許を取り、教員や劇団俳優らで構成される(公社)日本児童青少年演劇協会に入会。現在は3代目会長を務めている。
○…妻と二人暮らし。創作活動する妻を応援しながら、美味しい珈琲を入れるのが日課。演劇の世界大会もあり、フランス、ノルウェー、ベトナムなど海外旅行が趣味。お気に入りは東南アジア。「だらっとした緩い雰囲気が好きなんだよね」とにやり。コロナが落ち着いたら、息子がいる香港へも行く予定だ。
○…「『今のセリフはどんな気持ちで言ってるのか』と、他人を想像する力が豊かなコミュニケーションを生む」。だからこそ、子どもたちに演劇に触れてほしいという。動画という手法もあるが、やはり演劇は「ライブ」。「コロナ禍に対応する新たな芝居を、演劇界は踏み出さなければいけない」と、決意を新たにする。
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