カザフスタンで行われる世界ベンチプレス選手権大会に出場する 澤 千代美さん 横川町在住 72歳
大きな節目も自然体で
○…現在、ベンチプレス世界大会で19連覇中。20連覇に向けて「大きな記録が出る予感がする」と、快活な笑顔を見せる。目標は昨年自分が樹立した世界記録の更新。「大きな節目となる大会。やはり緊張する」と表情を引き締める。だがそれも第一試技が終わるまで。「バーベルをあげてしまえば緊張は大丈夫。終わった後の一礼が一番好きかな」という。
○…始めたきっかけは、健康診断で「太りすぎ」を指摘されたこと。当時50歳だった。ダイエット目的で通うキックボクシングのジムで、ベンチプレスに興味が沸いた。初挑戦で50キロのバーベルを持ち上げるとスタッフから驚かれた。すぐに専門的な指導を受けるとわずか1年で世界一に。ここから連覇が始まった。ケガで思うような成績が残せないときもあったが「持ち上げたときの達成感」で続けてきた。「やせるために始めたのが逆に筋肉がついてしまった」と茶目っ気たっぷりに笑う。
○…日野市で育つ。水泳、陸上、ソフトボールなどに打ち込み運動神経は抜群。中学3年生のとき、東京五輪の聖火リレー走者に選ばれたことも。当時着たユニフォームは今も大切に保管しているという。週に1回のトレーニング、趣味の食べ歩きや温泉が健康の秘訣。月に1度のアカスリも欠かせない。「お医者さんに褒めてもらうほど健康体」だそう。
○…互いに切磋琢磨してきた同世代の競技者たちは引退している。競技生活に「家族や友人は心配そう」と苦笑い。それでも20年間を続けてきたのは「全日本、世界大会へ出場することが日常生活生活の一部となっていたから」。大会を終えたら、今後についてゆっくり考えるという。「今は目の前の試合」。競技生活の集大成をぶつける。
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