昨秋開業した「有機農家コモレビ農園」を1人で切り盛りする馬谷原(まやはら)光織(みつおり)さん(49・町内在住)。昭和大学歯学部の講師から農家に転身し、管理する0・9haの畑でキャベツや小松菜など約30種類の野菜を栽培している。11月21日には、JAさがみ寒川営農経済センターを通じて寒川学校給食センターに初めてキャベツを納品した。
都内の医師家系に生まれ育った馬谷原さん。自身は歯科医師を志し、昭和大学歯学部に進学。同大大学院に進み、そのまま就職し、研究を行いながら、歯学部の助教や講師として目まぐるしい日々を送っていた。
結婚し、鎌倉に居を構えた後も激務は続き、体調不良に。妻の後押しもあり、「人生やり直すつもりで」退職。第2の人生に農業を選び、2021年に寒川に移住。知人の紹介から大久保農園(小谷)の大久保泰明さんに弟子入りし、農業を一から学んでいった。
土づくりに半年
馬谷原さんが目指したのは、化学肥料や農薬を用いない有機農業。まずは、土壌の有機物を増やすための土づくりに着手。緑肥にするための作物ソルゴーを育てるところから始め、半年を費やした。その後、野菜栽培を始め、病害虫の発生を抑えるための予防的な管理等を行いながら、農業機械をフル活用し、1人で日の出から日没まで作業に没頭した。
出来上がった野菜は大きさも味わいも十分で、「大久保さんも褒めてくれた」と微笑む。馬谷原さんの作った野菜は、わいわい市寒川店(宮山)とカフェパパ&ママ(岡田)で購入できる。
今後は、農林水産省が有機食品としての規格を満たした生産が行われることを示す「有機JAS」の取得を目指す他、障害者とともに働ける農園づくりを進める予定。馬谷原さんは、「学校給食にも使われ少し自信がついてきた。これからも頑張りたい」と話した。
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