元旦号「市長対談」続き
新年度予算、6つの柱
――2012年度の予算編成の骨格、テーマ、重点施策をお聞かせ下さい。
「東日本大震災や円高等の影響により、国内の経済や雇用環境は依然として厳しい状況にあります。また、国において、社会保障と税に関する議論が行われるなど、国の施策や地方財政にかかる制度等が大きく変化することも想定され、その動向によっては生活に影響が出ることも考えられます。こうした状況にあっても、将来にわたって安心して暮らし続けられるような、市民生活に直接かかわるサービスの確保は不可欠です。これらを踏まえ、新年度予算に関しては、6つの柱を掲げて市政運営に取り組んでまいります。
まず、「安全で安心して暮らせるまちづくり」。東日本大震災の教訓を生かし、危機管理体制の検証と再構築を図りながら行動計画の策定などを推進します。緊急性が高い要介護度4・5の待機者の解消を図るために、特別養護老人ホーム等の整備促進も行っていきます。
そして、「夢と希望あふれる次世代をはぐくむ環境づくり」。福祉や医療、産業、教育などの連携のもとで、不登校や引きこもり対策など子どもをめぐる今日的な課題への対応や、保育所待機児童の解消などに力を入れます。
「にぎわいと活力に満ちた都市づくり」では、広域的な交通網の形成などを進め、成長戦略を伴った産業集積・都市基盤整備を推進していきます。
「身近な暮らしの中から自然と地球を考える社会づくり」では、太陽光等の新エネルギーの導入を積極的に進めていくほか、家庭ごみの減量化や資源化に向けた取り組みを図っていきます。
地域に根ざした市民自治の仕組みづくりを推進するのが、「市民が主役の郷土づくり」です。退職世代の経験や力を地域活動につなげる環境づくりを進めます。
地方分権改革に対応した職員の育成として『変える』『創る』『挑戦する』、いずれも英語の頭文字が『C』ですので、『3つのC』を推進してまいります」
相模大野、小田急相模原の再開発は
――相模大野・小田急相模原の再開発の進捗状況と、再開発が及ぼす効果についてお聞かせください。
「相模大野の再開発ビルの建設工事ですが、2013年3月のグランドオープンに向けて、現在26階建て分譲マンション棟の躯体工事や大型商業棟、駐車場棟などの設備、内装工事を行っているところです。なお再開発ビルのグランドオープンに先駆けて、市営相模大野駅西側自転車駐車場が昨年10月から供用を開始しています。この再開発ビルの完成をもって、相模大野地区における3核3層構造のまちづくりの骨格が完成します。
また小田急相模原駅周辺の再開発の進捗状況ですが、北口B地区第一種市街地再開発事業は既存建物解体除去工事が完了し、施設建築物建設工事に着工したところです。すでに完了したA地区に続きB地区の再開発事業を進めることで、都市基盤施設の整備や防災機能の向上、商業の活性化が図られるものと考えます。また、県道51号等の道路拡幅整備に伴い、交通混雑が緩和されるとともに、県道横断デッキの整備により、安全で快適な歩行者空間が生まれるなど、本市の地区中心市街地にふさわしい、快適でにぎわいのあるまちづくりに大きな効果をもたらすものと考えています」
――新年にあたって、読者へのメッセージをお願いします。
「本年は、市民の皆様方の暮らしの向上と地域経済の活性化を最優先に市政運営に取り組むとともに、東日本大震災の教訓を生かし、市民の誰もが安全で安心して、心豊かに暮らすことができる社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。また、福祉、医療、教育の拡充、産業集積や雇用の創出、環境保全など幅広い分野において市民サービスの向上を図り、多様な施策を総合的に推進し、本市の都市力を高め、心豊かに生活できる環境づくりを進めてまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。本年が皆様にとりまして、幸せで実り多く、大いなる飛躍の年になりますことを、心よりお祈り申し上げます」
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