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帆掛け舟、念願の復元 現れた舟大工 来春完成へ

公開:2012年7月5日

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炉で鉄を熱する舟大工・田所武久さん。市販の釘でも制作が可能だが、とことん再現にこだわる
炉で鉄を熱する舟大工・田所武久さん。市販の釘でも制作が可能だが、とことん再現にこだわる

 よみがえる、かつての相模川のシンボル―。新磯地区で郷土資料館の運営に携わる、相模原市磯部民俗資料保存会(南区磯部/田所輝夫会長)では現在、乗船用に使用される帆かけ舟の胴体の制作にあたっている。ずっと探していた舟大工の登場により、待望のオリジナルが来春にも復元される予定だ。

 「文化というものは、(努力がないと)どんどん失われていってしまう」―。1978年に発足したこの団体は、地域の郷土品などの収集や保護活動を、そうした危機感のもと続けてきた。毎年8月初旬に開催されている「帆掛け舟」の乗船会は、地域の文化を伝えようと20年以上にわたり行われてきた。昭和初期まで重要な水運として相模川で活躍していた、その様子を伺い知れるとあって、市民から毎年好評を得ている。

 保存会では現在、舟を2艘所持。しかし、最近は老朽化も目立ってきたという。「相模原周辺にいる舟大工は全員、廃業したと聞いていた。この舟がダメになったら、相模川の風景・歴史を今に伝える”1つの証し”が失われてしまう」。木舟制作は、同会の念願であり、使命でもあった。

釘から手作り制作工程「当時のままで」

 今回の復元話はひょんなことから、持ち上がってきた。

 同会に所属するメンバーの一人が、知人と何気ない会話を交わしていた昨年の秋頃。「基本的には川釣りのため。あと、磯部にあった料亭の舟も作ったことがあったなあ」。その知人=田所武久さん(=今号人物風土記で紹介)がふと口にした。ここ15年ほどは制作を辞めていたが、大小あわせて今までおよそ20艘を作ったことがあった。諦めかけていた同会に、光明が突如差し込んだ。

 その後、会では素材となる最適な材木を市内近郊で探索。緑区青野原の山林にある直径80cm、高さ20m弱の杉が候補に挙がった。必要な木は3本。このほど伐採が行われ、杉材は現在、山林近くの製材所で保管されている(=写真)。

 また今回は、材料だけでなく、制作工程も当時のやり方を再現。舟大工を務める田所さんは昨年末から、舟に使用される釘作りを急ピッチで進めてきた。そしていよいよ今年12月頃には、舟形に削る作業に入る予定だ。保存会では来年の5月を目処に、舟の進水式を行いたいとしている。
 

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