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南区5周年 更なる「区民意識」創出を 新春区長インタビュー

政治

公開:2015年1月1日

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インタビューに答える服部南区長
インタビューに答える服部南区長

 2015年の年頭にあたり、本紙は服部裕明南区長との新春対談を企画。まちづくりの展望についてなどを聞いた。(聞き手/さがみはら南区編集室・齊藤明)

――まず、2014年を振り返ってのご感想をお聞かせ下さい

 高齢化、コミュニティ意識の希薄化がいろいろな地域活動の担い手不足に繋がっています。そこで、若者にまちづくりに参加してもらえないかということを「区民会議」の一つの大きなテーマにしています。現在、区民会議で若者参加プロジェクト実行委員会を立ち上げて、イベント企画を練っています。1月18日には「全国で一番輝く南区にするために何ができるか」をテーマに、プレゼン大会を行う企画が進んでいます。これは区で初の試みです。

 自治会の加入促進も課題です。昨年夏に市と市自治会連合会が連携協定を結び、秋には不動産協会を交えて加入促進を図りました。現在目立って効果があるかは難しいですが、加入世帯数は増えています。しかし、それ以上に世帯の伸びがあるため、加入率は上がっていません。全市的には60%を切っており、年々右肩下がりです。大規模な集合住宅やアパートが多く、また学生が多く卒業すると街から離れてしまうという事情も背景にあります。自治会に入らずとも生活していけるので、加入のメリットを感じてもらっていない。隣近所の声掛けなど地域で生活するうえで大事なのではないかと思います。

新たな魅力づくり事業やサービスを展開

 14年度は区役所機能強化が図られ、商店街振興と地域活性化イベントが市経済部から移管されました。「相模川芝ざくらまつり」「東林間サマーわぁ!ニバル」「相模原よさこいRANBU!」。この3つは区の所管となりました。また、相模大野のもんじぇ祭りや大野中地区の朝市まつり、相武台商店街のウィンターイルミネーションなど、南区では商店街振興に力を入れているところが多い。アートクラフト市などは、全国から人が集まっています。それぞれの地区で工夫を凝らして頑張っています。そのお手伝いをしていければと思います。

 区の魅力づくり事業としては、イチ押し写真展、親子ウォークラリー大会を継続したほか、新たに「南区パフォーマンスステージ」「芝ざくらラインの草刈りをしよう!」というイベントを行いました。昨秋の「全国花のまちづくりコンクール」で、芝ざくらの手入れをされている新戸相模川芝ざくら保存会が入選しました。ところが、会員の多くは高齢の方。斜面で保全作業が大変とのことから区全体で応援をしていけないだろうかということで、イベントを企画しました。結果として、地元女子サッカーチーム「ノジマステラ神奈川相模原」の選手も含め、80名の方が来てくれました。一定の期間、区でサポートし、ゆくゆくはボランティアのような形に繋げていければと思います。

 また、南区独自の取り組みとして、区役所1階の区民課窓口の混雑状況を知らせるインターネットサービスを開始しました。空いている時間や自分の待ち時間がわかるようになりました。

 区内のできごととしては、南区自転車会議が1月に県知事から表彰を受けました。

 ハード系のまちづくりという点では、6月に圏央道が開通。当麻の宿地区区画整理事業が本格化。A&A(麻溝台&新磯野)第一整備地区土地区画整理事業の認可が9月末に下り、16年初頭に着工が見込まれます。

 スポーツ関係では、東海大相模高校が夏の甲子園に出場。ノジマステラがチャレンジリーグ(日本女子サッカーリーグ2部にあたる)で3位と健闘しました。

災害対策や、小さな活動の応援

 防災関係では、南区独自で災害時の帰宅困難者対策訓練を行いました。現在、災害時要援護者避難支援協定締結を進めています。昨年は台風の影響で10月に2週連続避難所を開設することになりました。大雪もあり、バス路線運休などの事態となりました。

 避難準備情報が市として初めて出されました。結果、7地区中5地区で避難所開設準備をしました。これから、台風などの時には早め早めに準備するなど、市の迅速な対応が求められます。地震とその他の風水害では、避難所指定の仕組みを分けていく必要があるのではないか。市危機管理局とも話し合っていきたいです。

 災害時には災害本部ができますが、区本部も立ち上がります。その際には私が区の本部長になります。今まで以上に災害時など防災について考えなくてはいけないと思っています。今年から来年にかけて、地区防災計画の策定に各地区で取りかかります。まちづくりセンターなどと一緒に支援していきます。

 自分としては区長に就任して2年目だったので、地域活動や市民活動をされる団体・個人の方とより深い話をする場面がありました。地域のコミュニティ意識の問題、防災など区役所の役割をはっきりできるよう、考えさせられました。着任時、行政サービスは「早く・正しく・わかりやすく」と考えていました。窓口混雑情報のインターネットサービスなどは、区民サービスの改善につながったと思います。

 反省点としては、大きなイベントは黙っていても情報が発信されるので、地道な活動にもっとスポットをあてられればよかったと思います。招待いただかなくてもお邪魔したり、できるだけ区長談話室(市のホームページの南区ページ)などで紹介していきたいと思っています。小さな活動でもやりがいにつながる。区役所も応援しているのだということを、もう少し広く伝えたいです。

――今後の展望を聞かせて下さい

 区制施行5周年となる今年は、区の魅力づくり事業として記念事業を実施したいです。新しいイベントを企画するかどうかはまだわかりませんが、既存の催しなどに区制5周年記念という冠を付けてもらえればと思っています。新しいイベントを行う場合は、若者参加プロジェクト実行委員会との協働になると考えられます。

大規模プロジェクトの推進

 また、区内大規模プロジェクトを推進していきます。相武台まちづくりセンターと相武台公民館が、旧磯野台小学校へ移転するため、改修工事が15、16年度で行われます。16年度中には現在の場所から移ることになります。市が進めている公共施設マネジメントの一環で、学校施設の利用のモデル事業になるのではと思っています。廃止した学校施設の利用としては緑区が先行して行っていますが、公共施設マネジメントとしての取り組みは初めてです。災害時の拠点、地域の課題解決などで、公民館と連携していけるのではないかと思います。

 コンビニエンスストアーで印鑑証明など各種証明書が交付されるサービスは、16年1月から始まります。全国のコンビニで証明書が手に入ります。窓口の混雑緩和などにつながるのではないでしょうか。

 新しい交通システムの導入に向け、今は検討委員会を開いており、間もなく答申がされる予定です。答申を受けて市で基本計画を策定していきます。県道52号拡幅整備の進捗に合わせて、連節バスの導入などが順次行われていくのではと思います。

 相模原南警察署管内の特殊詐欺被害が非常に多いです(県下ワースト2、昨年11月末現在)。区役所でも、区民の安全・安心を守る観点から、警察などと連携して、被害防止に取り組みたいです。

――最後に、本紙読者へのメッセージをお願いします

 区制施行5周年を、区民の方に南区意識を持っていただける良い機会にしたいです。南区は、都市的な機能と豊かな自然のバランスがいい。イベントにしても地域にパワーがあります。そういったものをうまく結び付けて、区民と一緒に素晴らしい南区にしたい。そして、「早く・正しく・わかりやすく」。これを徹底していきたい。職員の意識改革を行っていきたいです。
 

平成26年度「南区私のイチ押し写真大賞」の作品。撮影場所は南区磯部の相模川土手
平成26年度「南区私のイチ押し写真大賞」の作品。撮影場所は南区磯部の相模川土手

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