南区当麻(たいま)地区は2014年3月に圏央道の相模原愛川インターチェンジが開設され、現在もなお、まちづくりが続いている。その当麻の現在(いま)の様子やその魅力を納めた映像が多摩美術大学(八王子市/世田谷区)の学生によって作られ、1月11日(日)、当麻自治会館(当麻)で上映される。主催は相模原市と同大学。
多摩美生が市と協働
他の事業で親交のあった市担当者が昨年4月、同大学に呼びかけ、企画がスタートした。この『たまたいま映像上映会』は同大学情報デザイン学科、グラフィックデザイン学科など様々な学科の学生11人が担当。約半年前から準備に取り掛かり撮影は昨年10月中旬から12月上旬にかけて行われた。
「当麻と、他の地域の違いを外からの目線で発見することができました。よそ者の私たちのフィルターを通し、私たちだからこそ撮れる当麻の魅力がつまった映像です」と今回の学生チームの代表、佐俣和木(さまたかずき)さん(情報デザイン学科メディア芸術コース2年)は話す。映像を見た市担当者は「見応えがありました。当麻にお住まいでない方には新鮮で、お住まいの方には再発見があるものと思います」と話していた。
上映されるのは「猫」「人」「長寿いも」「昔話」をテーマとした4作品で、それぞれ20分程度。「人と人との見えない繋がりを映像に納めることに苦労しました」と、佐俣さんは撮影を振り返る。また、「当麻の方から素直な意見をきけるか、自然体を撮影させてもらえるか。そんな点も不安でした」
相模原市では2010年から当麻の環境や歴史を調査する事業を行っており、11年に「歴史と自然マップ」を作成した。そしてその次のステップとして12年から「まち育て」の事業をスタートした。「まち育て」とはその地域の人たちが主体的に自らのまちを元気にする取り組みのことで、代表的な事例として鹿児島県鹿屋市の「やねだん」、千葉県柏市の「地縁のたまご」などがある。
今回当麻で行っているのは、美大生のスキルをいかした「アートによるまち育て」で、大学生が実際にまちを歩き調べながら映像にまとめた。
優しさ、きれいな水
町田市出身で、普段は八王子市内のキャンパスに通う佐俣さん。この企画で初めて当麻を訪れた。「歩いていると住民の方が挨拶をしてくれ、人の優しさが残る場所と思いました。水がきれいなのも印象的でした」。当麻の森に覆われた段丘崖には湧水が見られ、かつてはワサビ田として利用されていた形跡も残っている。夏の夜にはアオバズク(フクロウの中間)の鳴き声を聞くこともできるそうだ。
「お店などは少ないけれど、人の生活の営みを感じるいい場所だなとも思いました。ここに道路が作られ新たな建物が建つということを聞き、複雑な気持ちにもなりました」
上映会は入場無料。時間は午後1時から4時まで。「知らないまちの中に入ってまちを知っていくのはとても楽しかったです。見ればきっと当麻がもっと好きになります」と、佐俣さんは来場を呼び掛ける。希望者は直接会場へ。問い合わせは市当麻地区拠点整備事務所【電話】042・777・8855へ。
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