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家族が「がん」、その時

社会

公開:2016年5月12日

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一番の薬は内助の功

 大根の葉、ニンジン、ゴボウ、干ししいたけ…。東林間在住の立石利夫さん(70)が、「細胞が元気になる」と20年間飲み続けている野菜スープ。毎日欠かさず、コトコトと1時間かけて煮出すのは妻の幸子(ゆきこ)さん(73)の仕事だ。

 都内で食材卸業などを営んでいた立石さん。多忙で不摂生な生活の中、20年ほど前にステージ4の大腸がんを患った。医師から本人への告知について問われた幸子さんは「しない」と即答。「教えたら落ち込んじゃうでしょ。性格がわかっているから」。結果、立石さんは「悪質な胃潰瘍」と説明されて手術し無事成功した。

 術後、薬に頼らず自力での治療を望んだ立石さんは、幸子さんに相談せずに退院。「本人がしたいようにしないと治るものも治らない」と幸子さんはそれを受けとめ、代わりに食事を徹底的に管理した。朝食を必ずとり、揚げ物を断つ。手製の「野菜スープ」もその一つだ。

 「私まで落ち込んでいたら今頃、生きていないわよ」と、当時を振り返る幸子さん。退院後、夫婦で始めた薬膳中華の居酒屋はもうすぐ18年。”幸子ママ”の気丈さと細やかな気配りに支えられながら、立石さんは今日も元気に鍋を振る。

絵本で想い表現

 絵本を手に本当の姉妹、はたまた幼馴染のように寄り添い微笑む2人――。

 八王子市の絵本作家、楠(くすのき)千恵子さん(64)の夫の妹・吉田美佐子(60)さんは約15年前、上咽頭がんに罹患した。「会いに行けないほどショックだった」という楠さん。がんのステージは高かったものの放射線治療に食事・免疫療法などで美佐子さんは回復。楠さんが美佐子さんを想い作り上げたのが絵本「チカチカとヘイヘイ」(遊行社)だった。「力になってあげられないけれど、絵本を通して”いつもあなたを思っている”と届けたかった」と楠さん。

 苦難を乗り越え以前にも増し想い合う二人は今、「人とのご縁」と「生」に改めて感謝する日々を送る。

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