今年4月に都内の池袋で2人が亡くなった事故をはじめ、各地で高齢者の運転による自動車の死亡事故が相次いでいる。加齢による判断力の低下などにより、自身が事故の加害者となる可能性を危惧し、区内でも運転免許証を自主的に返納する人が増えているという。
相模原南警察署によると、管内の65歳以上の運転免許証保有者は4月末時点で3万1612人。2018年の返納者は合計872人で月平均は約73人だったが、今年5月は134人と、ここ5年間で最多人数を記録した。「池袋の事故後、免許証返納について話し合う家族が多かったのでは。遺族も話していたように、少しでも不安があれば、運転しないという選択肢を考えてほしい」と、同署交通課職員は話す。
返納後も身分証明書に
運転免許証返納の手続きには、同署窓口で交付している「運転免許取消・一部取消申請書」の提出が必要となる。「返納すると身分証明書がなくなって不便」と考える人も多い。しかし有効期間内の免許証を返納した人に限り、手数料1100円を支払えば「運転経歴証明書」が発行される。身分証明書として有効で更新の必要がなく、協賛企業団体・文化施設等で特典が利用できることもあり、返納者の約9割が申請している。免許証は申請当日に無効となるため、本人が車を運転して帰ることはできない。
移動支援が課題
窓口では免許更新に訪れた高齢者に早めの返納を勧めているが、「家族の通院のため」などの事情で運転する必要がある人も多いという。同課職員は「今後は、免許証を返納した人への移動支援が課題。支援が充実すれば、返納への機運もさらに高まるのでは」としている。
南署ではさらなる啓発に注力するほか、平日は高齢者の運転適性相談にも応じている。免許証返納に関する問合わせは南警察署交通総務係【電話】042・749・0110へ。
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