タウンレポート みんなにやさしい街って? 女子大生の車椅子体験
誰からも愛される街とは、誰にでもやさしい街だ。再開発が完成し、この春には新しい街に生まれ変わる相模大野は一体どれだけ包容力があるのだろうか。そこで今回は自由に歩くことができない立場にたって(車椅子体験)、”相模大野のやさしさ”を確かめてみた。
今回、車椅子体験をしてくれたのは相模女子大学(南区文京)の1年生2人。いずれもタイの子どもたちに車椅子を寄贈する慈善活動を行なっている。
渡部綾乃さん=左写真手前は中学時代、授業で一度、体験をしたことがあるそう。一方、林優花さん=右写真は初めての試み。まずは渡部さんが車椅子に座り、南保健福祉センター(相模大野)から駅をめざす。押す林さんの印象は「思ったより軽いですね」。銀座通りの曲がり角で車とすれ違う。「意外と怖い。視線が低いのでとても距離が近く感じる」。こちらに気づいてくれているのか?そんな不安もよぎってくる。
途中から林さんの手押しをやめ、渡部さんが自走することに。再開発工事エリアの仮設道路、渡部さんはわずかな坂道でバランスを崩した。動きが取れなくなり、誰かの助けがなければ、元に戻れない状態に。歩行者では気にかけないような、わずかな傾斜でも自走の車椅子にとっては障害となる。
歩けば10分で着く距離。初の「街中車椅子」では20分以上を要した。エレベーターを探し、遠回りをして乗り口まで行くなど、思った以上に時間がかかった。
続いて、駅から相模女子大学までのいつもの通学路。林さんが車椅子に座った。伊勢丹へ続くコリドー通りを1人で通過。しかし、石畳の凸凹のせいで「思ったより進まない。腕がとても疲れます」。軽い傾斜にタイヤを取られる。そして歩道を進んでいくと、とある店舗の看板に道を塞がれた。避けて通ろうとすると、逆に今度は車道に落ちそうになる。ここも人の手を借りないと通過できない”難所”だった。
「微妙な坂でも大きくバランスを崩してしまいます」(渡部さん)「避けてくれるけど、すれ違う人や自転車や車はとても大きく見えます」(林さん)。車椅子に一人では、どうしても無理な状況に陥ることがあるようだ。まわりの力が必要となる場面が必ずある。「みんなでやれば何とかできる」――。新しい相模大野は、「支えあう気持ち」が溢れる、やさしい街であってほしい。
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