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漆芸&綴織 障がい児を職人に認定NPOの活動

公開:2013年2月21日

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綴織の作業をする工房生の佐藤国治さん(左・相模原市中央区)。細かい作業を黙々とこなす。工房一のベテラン生
綴織の作業をする工房生の佐藤国治さん(左・相模原市中央区)。細かい作業を黙々とこなす。工房一のベテラン生

 発達障がい児を、漆芸・綴織の職人に育てようと活動する、全国唯一の団体―。東京都日野市にある認定NPO法人工芸技能研究所には現在、相模原市からも含め7人の生徒が通い、日々技術の習得に励んでいる。

集中力がすごい

 「彼らはコミュケーションは苦手だけど、集中力は抜群。単純作業には向いているんです」。漆芸を教える和田伊都子(いつこ)さん(代表理事)は、そう教えてくれた。和田さんは高等専修学校の教員時代の同僚だった齋藤一郎さん(綴織担当)と共に、2002年、同法人を立ち上げた。「(専修学校で)教えても卒業したら作業所へ。それはもったいない。きちんとした技術を身に付けて職人になれれば、一人前に働けるようになるはず」

 生徒(中卒以上)は7年間、養成所で学んだのち、意欲があればそのまま同法人の工房生として活動をする。現在在籍する7人は全て工房生(漆3・綴4)。漆芸に関しては一般的に「塗り」と「蒔絵(まきえ)」は分業だが、ここでは一緒に覚えることができる。かつて知的障害児施設で指導員をしていた和田さんは、彼らの将来を憂い、一から漆の勉強をし、工芸技能者に。そして今はその技術で未来の職人を育てている。「見本をみせてあげるとうまくできる。飲み込みは早いですよ」。教えるにあたっては「多くを話し過ぎないこと」を心がけているそうだ。

本物の工芸品として

 施設はそれぞれの作業スペースとともに、彼らが手がけた作品も展示・販売されている=右下写真。大量生産による安価な粗悪品でなく、天然素材と手技(しゅぎ)によって生まれた、本物の工芸品。「作品として見てもらっています。(障がい児に対する)同情心で求めにくる人はいませんよ」

▼同法人理事の一人、株式会社桧家(ひのきや)住宅三栄(南区相模大野)の中島信義会長「教えるだけでも大変なこと。職人にまで育てるのは、なかなかできることではない。お二人の一生懸命さに感心します」■認定NPO法人工芸技能研究所【電話】042・592・4353/東京都日野市落川993(2F)
 

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