原発に頼らない社会をめざし、再生可能エネルギーを利用して自分たちの手で電力を作っていこうと、市民団体による「みんなの発電所」開設への取り組みが行われている。このほど太陽光パネルの設置場所が決定し、事業申請が通ったため、団体事務所では4月中の着工をめざして開設資金を出資してくれる参加者を募っている。
この事業の発起人、倉橋満知子さん(66)は25年ほど前に南区磯部に移り住み、同地の自然に魅せられた。磯部の鳩川沿いに広がる里山を守る「鳩川・縄文の谷戸(やと)の会」など、現在も様ざまな環境保全活動を続けている。
東日本大震災以降、原発問題という看過できない問題に対し、「地震国の日本で安全と言われてきて、このありさま。原発が手におえない。電力不足と言われているのに、実際は平気。この状態で再稼働は考えられない」との思いを抱いていた倉橋さん。「原発がおかしいと思う人は多い、でも電気が無いと生活ができない。このジレンマを打破するために、自分たちで電気を作れるということがわかれば、市民の意識も変わるのでは」と、市民による地域電力の創出を模索。およそ1年間の構想期間を経て、太陽光パネルを使い、国の固定価格買取制度を利用した発電所を開設することを決断した。
開設に向け課題となっていたのが設置場所。パネルを置くためには広い土地を確保しなければならなかった。このほど、倉橋さんが代表を務める環境保全団体の会員から、山梨県内の放棄地となっている畑の提供を受けることになった。国の申請も通り、事業展開が可能となった。
開設に向け、今年4月中には着工する見込み。現在、同団体では太陽光パネル設置の事業資金を募っている。目標額は800万円で、一口10万円。出資者には事業開始3年後から、配当を行っていく予定。「今後、若い人に事業を継続してもらいたい。そのためには、事業として成功していかなければ」と倉橋さんは出資を呼びかける。また、「自分の家で電気を作って使える、というのが理想。地産地消の電力を目指したい」と語った。
発電所についての問合せは【携帯電話】090・9374・2846倉橋さんへ。
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