2015年のノーベル医学・生理学賞を受賞し、国内外から注目を集める北里大学特別栄誉教授の大村智氏(80)。南区北里にキャンパスを置く北里大学だけではなく、女子美術大学(麻溝台)で長年にわたり理事長を務めるなど、相模原市との関わりは深い。
大村氏は1935年、山梨県韮崎市生まれ。山梨大学学芸学部自然科学科を卒業後、東京都立墨田工業高校で教諭をしながら、東京理科大学大学院理学研究科に入った。65年に社団法人北里研究所に入所。90年から2008年まで所長も務めた。過去にはレジオン・ドヌール勲章、カナダ・ガードナー国際保健賞、文化功労者表彰なども受けている。
美術にも造詣
大村氏は医学分野のみならず、美術についても造詣が深く経営指導の実績も高かったため、女子美術大学が理事就任を要請した。
1993年に理事に就任すると、97年3月から2003年5月、2007年4月から今年5月まで理事長も務めた。退任後の現在は、名誉理事長となっている。
相模原校舎にたびたび出校しており、今年4月21日に相模原キャンパス1号館「Joshibi SPACE 1900」を開設した際のオープニングセレモニーにも参加している。また、夫人の名前を冠した「大村文子基金」も2000年に設立。卒業・在校生の芸術活動奨励にも力を注いでいる。同大学の話では、6月以降もゴルフや北里大学に足を運ぶなど、ひんぱんに相模原を訪れているそうだ。
以前、女子美術大学で行われた講演で、大村氏は学生に「諸君に一番大事なことは感性。想像力。想像力がなければ、思いやりなどという感性はできない。思いやりの心を持つということは非常に重要なことです。それが人生で大事だということを、ぜひ実感してください。その思いやりは、結局想像力がなければできません。その力を持つには、芸術などをきわめていくことです」と説いたという。
ノーベル賞受賞に際し、同大学の福下雄二理事長は「女子美術大学にとっても大変光栄なこと。何事も誠意を持って全力を尽くすという生き方、人と人との出会いや御縁を大切にするという生き方、人を育て人を残すという生き方等、永年にわたる大村先生の生き方や人生観が背景となって受賞に結びついたものと考えます」と祝辞を寄せている。
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