中央区田名塩田地区の塩田原交差点に、歩道橋が新設された。同所は中央区から南区当麻にある市立夢の丘小学校に通う児童が利用しており、地元の自治会やPTAらにより、交通安全の対策を求める声が兼ねてから根強く挙がっていた。2月11日の夜間に取り付けられた歩道橋は、4月から供用を開始する予定。
この歩道橋は国道129号と県道508号が結節する塩田原交差点に、東西に跨いで整備された。この付近は国道を利用する普通自動車や大型貨物車などが激しく往来する場所で、朝の通学時間の自動車交通量は1時間あたり約7〜800台にのぼるという。一方、同所は田名塩田地区から夢の丘小に通う児童約230人の通学路で、以前から児童を巻き込む交通事故発生が懸念されていた。
歩道橋設置を巡っては、同校が開校した2002年当時から、国道を渡らざるを得ない通学路の危険性が指摘されていた。同校やPTA、塩田自治会らは設置を要望していたが、当時の国道129号は神奈川県の管轄下であったため、実現には至らなかった。
1万人から署名
こうした中、相模原市が2010年に政令指定都市に移行すると、129号は市の管轄下になり、これを機に地元では要望の声を強く挙げた。2012年には田名塩田地区の自治会員、PTAなどが主体となり歩道橋の設置を主とした署名活動を実施。田名塩田や当麻地区の地域住民らから1万筆を超える署名を集めるなど強く働きかけ、今回設置に至った。市道路整備課によると、最近では2008年度に緑区のアリオ橋本近くに作られた例があるが、設置されるのは稀という。
歩道橋が設置されたことを受け、要望活動を続けてきた田名塩田通学路安全対策委員会は「各団体がバラバラだったら実現しなかった。地元が一致団結したことが大きい」とし、塩田自治会の佐藤秀夫会長は「安全面においてとても良いこと。事故が起こらないことを期待したい」とした。
新設された歩道橋は地元で名称を公募し、「夢の実現」「夢の丘小」などになぞらえて「しおだ夢のかけ橋」と名付けられた。児童が新学期を迎える4月から供用を開始する。3月30日には渡り初め式が行われる予定。学校や地元では歩道橋新設後も引き続き交差点付近に交通指導員や警備員らを配備するなどして、児童の安全確保に万全の対策を期していきたい考え。田名地区自治会連合会の田所昌訓会長は「念願だったので、地域としても喜ばしい。引き続き安全対策に注力していきたい」と話した。
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