地元女子サッカーチーム「ノジマステラ神奈川相模原」。昨季限りで5人の選手が移籍・退団し、2012年の創設からチームを支えてきた尾山沙希、長澤まどか、是川友利恵の3選手も現役引退を決断。本紙では引退発表を受け、皇后杯準決勝を控えた昨年12月15日にインタビュー。家電量販店ノジマの社員として働きながら選手として活動してきた6年間、そして今後について聞いた。
-まず引退を決断した時期について、教えて下さい。
尾山「今シーズンが始まる前から、今年が最後と決めていました」
長澤「ハッキリと決めたのは、なでしこリーグが終わった10月です」
是川「2、3年前から選択肢として引退を考え始めて、正直毎年迷っていました。今年は自分の中でやりきった感があり、肉体的にも精神的にも選手としてさらに上を目指したいという気持ちが薄れてきたこともあって、決断しました」
-ステラの選手として戦った6年間の中で、特に印象に残っている試合は。
尾山「嬉しかったのは1年目に関東大会で決勝進出が決まった試合と、昨年なでしこリーグ2部で優勝を決めた試合です。悔しかったのは２０１４年と２０１５年に昇格を逃した試合」
長澤・是川「一番嬉しかったのは、1部昇格が決まった瞬間。悔しかったのは、やっぱり入替戦で昇格を逃した時です」
-3人とも印象に残っている試合は同じですね。
尾山・長澤・是川「一緒ですね（笑）」
是川「嬉しいことも悔しいことも色々あったけど、強烈に残っているのは皆そこだと思います」
恵まれた環境に感謝
-ノジマで働きながら選手として活動するという環境について、あらためて教えてください。
尾山「1年目は一緒に働いているスタッフの方も、サッカー選手としての活動やノジマステラがどこを目指してどんなレベルでサッカーをやっているのかも全く知られていませんでした。同じ時間に出勤して自分たちの方が早く退社するという状況で、つらいこともあったけれど、『ちゃんと応援してもらえるように働かないとな』と思い、一生懸命頑張りました」
長澤「3時間という限られた時間の中で、会社のためになることを考えて働いてきました」
是川「さっちょん（尾山選手）が言った通り、最初は会社での認知度も低かったし応援してもらえる状況ではなかったけれど、それは立場として当たり前のことだったと思う。その中で選手が限られた時間でもできる限りの仕事をしようとしてきたことと、サッカーの面でも少しずつ結果が出てきたことで、今は会社を挙げて応援してもらえるようなチームになれた。こんなにいい環境でサポートしてもらえることに対して皆感謝しているし、仕事では限られた時間の中で自分のできることをやっていくという姿勢を、これからの選手たちも続けていってほしいと思います」
-それぞれが思う、他の２人について教えて下さい。
尾山「長澤選手に対しては…特にないです（笑）」
長澤「おーい！（笑）みんな私に対してはそういう感じです（笑）」
尾山「こういう感じで、明るくていじられキャラです。友利恵さんは試合にあまり出られなかったけれど、チームにとっても自分にとっても本当に大きな存在で、よく相談もしてました」
-長澤選手は？
長澤「尾山選手はキャプテンとしてチーム全体を見ていて、頼れる存在」
尾山「ほんま？（笑）」
長澤「友利恵さんはみんなのお姉さんで、信頼できる存在です」
-是川選手は？
是川「長澤さんに対しては…特にないです（笑）」
長澤「ひとつぐらい言ってよー！振り絞って！（笑）」
尾山「二人とも特になし、で大丈夫です（笑）」
是川「さっちょんは6年間ずっとキャプテンとして頑張ってきて、彼女がキャプテンだったから、家族のような今のステラの色があると思う。いつもチームの象徴として引っ張ってきてくれた存在で、本当に尊敬と感謝しかないです」
-ありがとうございます。次のキャプテンは尾山選手が指名するわけではないのですか？
尾山「違います！（笑）」
今後はそれぞれの道へ
-最後に、引退後の話を聞かせてください。
尾山「実家の方に戻って、母と同じ道を目指すことが、次の夢です。多分しばらくはサッカーから離れると思います」
長澤「とりあえずは実家に戻って、就職活動をします。今までサッカーが一番だったので、次に自分がやりたいことを、違う仕事をしながら見つけていきたいです」
是川「私は引退後もノジマに残り、今後も一社員として頑張っていきたいと考えています」
-ありがとうございました。
皆さんが次の舞台でご活躍されることを祈っています。
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