東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で、カナダボートチームが相模湖を拠点に事前キャンプを行なうことを決定した。これを受けて1月20日、県立相模湖漕艇場(緑区与瀬)で、カナダボート協会(以下RCA)、日本ボート協会、神奈川県、相模原市の4者で覚書締結式を実施した。地元では「地域活性化の起爆剤になる」と歓迎ムード一色になっている。
相模湖漕艇場は、トレーニング室や研修室も備えた県立のボート競技場。1955年、第10回神奈川国体の漕艇競技会場として開場し、64年に行われた前回の東京オリンピックでは、大会会場として使われた歴史がある。97年のかながわ・ゆめ国体の際に再整備され、現在は1000mコース6レーンが整備され、各種ボート大会が行われている。そうした歴史を踏まえ、2015年8月に相模湖商工会、相模湖観光協会、相模湖自治会連合会など地元の6団体は、加山市長に既存施設を活かした「ボート競技の事前キャンプ地誘致についての要望書」を提出した。16年にカナダオリンピック委員会やRCAがキャンプの候補地として相模湖を訪れ、以降視察や関係者との協議を継続。昨年10月に相模原でキャンプを行ないたい旨の連絡があり、今回の締結となった。
世界有数のボート強豪国
東京オリンピックで予定されるボート競技は、シングルスカル、ダブルスカル、ダブルスカル軽量級、クォドルプルスカル、舵手なしペア、舵手なしフォア、エイトの男女とも7種目。カナダチームは毎回メダル獲得者を出す強豪チームで、選手30人程を含めた50人程度がキャンプを行なうことが想定される。今後は19年3月までに、キャンプに係る費用負担、使用施設、実施期間、参加人数などの詳細を詰めていく予定だ。
相模湖に「レガシー」を
締結式には加山市長をはじめ、日本・カナダ両ボート協会、県の代表者、関係者らが出席。加山市長は25年来、カナダ・トロント市と友好都市関係にある点に触れ「一流の選手を直に見て、触れ合うことは子どもたちの宝になるはずです。今回のキャンプを機に、今後もさらに相模原とカナダの交流が活発になることを願いたい」と挨拶。これを受け、カナダボート協会のイアン・ブランベル強化部長は「今回の締結がオリンピックに向けた重大な一歩になる。この相模湖にレガシーを残していきたい」と話した。併せて県からは、現行のボートコースを国際級の競技に対応できる2000mコースに改修し、恒久的な施設にすることも発表された。
さがみはら南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|