第60次南極地域観測隊の夏隊に、同行者として参加している相模女子大学中学部・高等部の美術教諭・新井啓太さん(34)が1月29日、南極と同校を衛星回線で結び、「最果ての地」から授業を行った。
昨年11月に日本を離れ、12月に昭和基地に到着した新井教諭。現地から教員派遣プログラムの一環である「南極授業」を実施するにあたり、「南極から一方的に情報を送るのではなく、日本から応援の気持ちを届けてほしい」、そのような想いを持っていたという。
そこで南極観測隊員にエールを送るため、音楽や美術、書道などを合体させたライブパフォーマンスを生徒主体で行うことを企画。校内で有志を募ったところ、総勢176人が手を挙げた。そこから各パートに分かれて、時には遅くまで学校に残り、準備を進めてきた。
迎えた授業当日。昭和基地と中継が繋がり、画面に新井教諭が映ると、会場に集まった約150人の生徒からは大きな歓声が上がった。新井教諭は南極の様子や日々の行動内容などを観測隊のメンバーとともに報告。その後、音楽チームの歌と演奏に乗せて4枚の大きなパネルに絵を描き、「世界の最果てを未来の中心に」などの言葉をしたためるパフォーマンスが披露された。
南極からその様子を見守った新井教諭は感無量の様子。「本当に感動した」と言葉を詰まらせながら、「世界は広く、知らないことがたくさんある。皆も広い視野を持って将来を考えてほしい」とメッセージを送った。
パフォーマンス総合リーダーを務めた太田遥絵さん(高2)は「南極と繋がるなんて驚きしかない。準備は大変だったけど、みんながひとつにまとまった瞬間はドキドキした」と話した。新井教諭は3月下旬に帰国する予定だという。
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