自宅で「レコードを聴いて音楽を楽しもう」を開催する 高柳 和富さん 相模台在住 65歳
「面倒くさい」ほど愛着湧く
○…「レコードの面倒臭さが好き。ホコリや傷、反りや針の交換など丁寧に扱わないと直ぐにへそを曲げてしまう」と目を細める。その手入れの作業に愛着が湧いてくる。昨今の社会情勢の不安定さから、レコードの温かい音を聴いて、気持ちを温かくしてもらえたらと願う。「音楽が元気のタネになれば」
○…相模原市で生まれ育つ。小学生のときにテレビで見たザ・タイガースのジュリーこと沢田研二さんに一目惚れし、「脳内がロックに」。中学3年生のときには友人の誘いでバンドを結成。「あまりやっている人がいなくてモテそう」とドラムを担当し、耳コピ・独学で力をつけると、大学在学中にプロ契約の話が出たことも。卒業後は営業職に就き、「30代までは給料のほとんどをジュリーの収集品につぎ込んだ」とニヤリ。
○…ジュリーのレコードを買うため、ヨーロッパなど海外へも飛んだ。入手困難なものがあった際には、ジュリーの所属事務所の関連会社にも連絡を取り、それがジュリーのベスト盤や特集本の制作に携わるきっかけに。「大好きなアーティストの仕事が出来てファン冥利に尽きる」と感慨深い表情。現在は自身も作詞・作曲し、アーティストからの発注を受けているほか、CDやDVDの制作・解説も行う。
○…過去に2度、脳梗塞を発症したときも支えてくれたのは音楽だった。リハビリも兼ねて昨年からピアノを習い始め「ストリートピアノで弾きたい」と猛練習中。同じ教室に通う子どもの保護者から「同世代が頑張っている姿を見て励みになる」と応援メッセージも届くという。人生の目標に「作った曲が紅白に出ること」を掲げ、「子どもたちに頑張っている姿を届けたい」と熱い眼差しで話した。