若年認知症ピック病と闘い、寒川写真コンクール観光の部特選に輝いた 中村 成信さん 小動在住 63歳
前向き姿勢で病を克服
○…作品のタイトルは「仲良し兄弟」。小動大凧まつりが行われている会場での一コマ。一面に広がるレンゲと青い空、白い雲。赤い大凧とのコントラストが美しい。何より母親と過ごす仲睦ましい兄弟の表情が印象的だ。「特選と聞いて、まさかと思った」とビックリした様子。「人の表情を撮影するのは難しい。すぐにカメラを向けると構えられてしまいますからね。いつもできるだけゆっくり、時間をかけて撮影します」とニッコリ。撮影を楽しんでいる様子が伝わってくる。
○…若年認知症「ピック病」と闘っている。7年前の万引き事件をきっかけに病気が判明。勤務していた茅ヶ崎市役所を懲戒免職となり、その後ピック病であることがわかり、停職に変更となった。家にこもると病気は進行してしまうという。「前向きな気持ちでいろいろとチャレンジすることが必要な病気です。そんなときに医師から勧められたのが写真でした」と撮影活動を始めたきっかけを話す。同じ病気で苦しんでいる人のためになればと、自身を積極的に露出させる。本を出版したり、全国からの講演の依頼に応えるなど、西へ東へトレードマークの笑顔とともにアクティブに活動する。
○…寒川町の写真愛好家が集まる「写友会」に所属するようになって活動範囲が広がった。「車の運転ができませんので、いろいろな所に連れて行ってもらい助かっています」。実は今回の受賞は、初の応募作品だったというから驚きだ。活動範囲が広がり、いろいろな人と交流し、自然と笑顔で過ごせることが、作風にも反映されているのは間違いなさそうだ。
○…話を聞いていると、病気であることをまったく感じさせない。茅ヶ崎市役所では市の観光事業に携わり「海水浴場をサザンビーチと名付けたのは私です」と嬉しそうな笑顔。寒川に住んで35年以上になるが、やはり「観光」と聞くと体が反応してしまうようで。
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