100人のお産ウェブ写真展を開いている 佐藤 彩さん 岡田在住 41歳
すべてが違う、それでいい
○…そのウェブサイトには何人ものお産が記録されている。年齢は30歳〜70歳代と幅広く、寒川在住の人や県外の人も。一人ひとりから聞き取って綴ってきた。帝王切開や自然分娩など、お産のかたちは千差万別。不妊や産後うつの人もいる。お産が終わればすぐに育児に突入し、自分をねぎらう機会は少ない。振り返ることで癒える事もあるし、お産を控える人への情報提供にもなる。最初は友人に声をかけて取材し始めたプロジェクトは、1月にサイトを公開。今はオンライン会話システムも駆使し、全国から声を集めている。目標は100人。いつか資金を調達し、実物の写真展を開くことが夢だ。
○…親の仕事で5歳までオーストラリアで過ごした。帰国後も英語を喋っていたところ、周りの子から「外国人」と言われた記憶がある。「居場所がない感覚」は中学校や高校でも続き、部活にも入らず帰宅部で通した。自宅の壁には画家だった祖父の作品が飾られていた。その影響もあってか、大学では「学芸員」を志望。江戸東京博物館や森美術館、県立あーすぷらざなどで働き、電話応対や館内の案内も担った。仲間と練り上げた企画展には手ごたえを感じたという。
○…学芸員として働く中で妊娠、そして流産も経験。初めてのお産は助産院に決め、夫や母に立ち会ってもらった。「産むことに集中して、あとはすべてぶっ飛びました。無心になれた」。今は3人の子の母。号泣する子どもたちを抱えて何もできなかった日や、子育てに悩んで心理士に相談した事も懐かしそう。息抜きしたい時には、ゲオで漫画を借りて読みふける。この写真展は、階段の踊り場のような場所かもしれない。一息ついてお母さんに寄り添う、お母さんである。
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