茅ヶ崎や寒川など、相模原湾周辺を中心に活動する日本防災士会湘南支部理事を務める 水島 將隆(まさたか)さん 茅ヶ崎市在住 75歳
地域と防災の相談役
○…退職後、上智大学のオープンカレッジで環境と防災について学び、セーフティーリーダーや防災士の資格を取得。今では災害ボランティアネットワーク監事や日本防災士会湘南支部理事まで務める。「知らなかったから、学ぶべきだと思って」。学ぶことが好きというシンプルな動機に、持ち前の熱意と周囲との信頼関係が合わさったからこそなせる技だ。
○…茅ヶ崎市小和田で240年以上続く家系に生まれた。5人兄弟の末っ子で、周りの期待に応える優等生。読書が好きだったが、取り分け関心を引かれたのはゲルマン文化。ドイツ言語の魅力にはまり、大学卒業後に改めてドイツへ留学した。語学力を買われ、ドイツ大手企業シーメンスと業務提携した富士電機に就職した後は、グループ会社の代表なども歴任した。
○…大阪勤務時、阪神淡路大震災で被災した。幸い大きな被害は受けなかったが、後の学び直しにつながった。「4カ条は『潰されるな、水は多めに用意、トイレ対策しっかり、卓上コンロは便利』。あとは命さえあればなんとかなるから」。大災害未経験者が多い関東で声を上げ続けている。「災害が身近でない関東だからこそ、呼びかけなくてはならないんです。まずは知ること、考えることから始めてほしい。そのためのヒントを教えるのが防災士です」と言葉に力が入る。
○…息子と娘は独立し、今は夫婦水入らず。地域を歩けば至る所から「今度相談したいことが」「この前はありがとう」と声がかかる。健康の秘訣は、地域見守り活動などを通じた子供たちとの交流。防災の面でも学校防災アドバイザーを務め、近年は特に特別支援校の防災に関心が高い。「学んだことを次世代に受け継いでいくのが我々の仕事ですから」と表情を和らげた。
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