南部公民館でディンプルアートの講座を開いた 星 さおりさん 倉見在住 48歳
便利なものより手間暇を
○…「これがディンプルアートです」。透明なアクリル板などに描いた作品を持って光に当てると、ステンドグラスのように透ける。特別な絵の具は、車のフロントガラスの飛散防止膜を再利用したエコ素材。町内のイベントや自動車販売店で何度も体験講座を開いてきた。コロナ禍の前は打合せや準備で毎日が忙しかったが、以前のようにはいかず苦心の日々だ。
○…倉見出身で旭小、旭が丘中出身。近所の遊び場と言えば、田んぼと畑しかなく、小さい頃は親から渡された折り紙や塗り絵に夢中になった。父の正芳さんが建築職人で、よく現場に連れて行ってもらい、職人の細やかな仕事ぶりを見て育った。その影響なのか結婚して3人の子の母になると、子どもが寝静まった夜にアクセサリー作りや編み物に没頭した。「今思えば作る事がストレス発散でした」。
○…友人を通じて、5年ほど前にディンプルアートの世界を知り、すぐにインストラクターの資格をとった。作品の下絵は講師があらかじめ用意し、受講者が選んで思い思いに塗る。真っ赤な東京タワーやイチゴを真っ青に塗ってもよし、失敗してもペロリとはがして、やり直せる。時おり常識を覆す作品に出合えるのも仕事の醍醐味だ。小さな子が「お母さんにあげるんだ」と頑張る姿などを見ると胸がいっぱいになる。
○…料理やお菓子づくりも好きで果物を彫刻のようにカットするほどの腕前だ。逆に最新型の調理器具や便利なパソコンにアレルギーがあるといい、最近までガラケーを愛用していた。「これじゃ自分の活動をネットで拡散できない」と苦笑しつつ「大変でも手を動かすのがいい。達成感が違いますよ」とにんまり。モノづくりが芯までしみこんでいる。
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