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区内在住八幡さん

「横浜シネマリン」を復活 文化

経営権買い取り、再興へ

掲載号:2014年12月16日号

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同館入口に立つ八幡オーナー(左)と西村さん
同館入口に立つ八幡オーナー(左)と西村さん
 60年間の歴史に幕を閉じようとしていたミニシアター「横浜シネマリン」(中区長者町6)が12月12日に再オープンを迎えた。映画をこよなく愛し、「横浜の映画文化を継承したい」とオーナーとなった区内・峰沢町在住の八幡温子さん(58)=人物風土記で紹介=が、自費で同館の再生を手がけた。

 横浜シネマリンは1954年に「花月映画劇場」として開館。1964年に「イセザキシネマ座」、オーナー変更などを経て1989年に今の名称に。「シネコン」などの台頭による経営不振で、今年3月に休館したまま、閉館の窮地に追い込まれていた。

 八幡さんは、横浜の映画サークル「横浜キネマ倶楽部」に所属。「横浜に映画ファンの思いが反映される映画館をつくる」ことを目標に活動していたところ、同館の話が舞い込んできた。閉館まで猶予がなく、倶楽部として引き受けることは困難と判断し、「個人で買い取ることを即答した」という。

 同館周辺はかつて「映画の街」といわれ、十数件の映画館が点在していたが、今は「ジャック&ベティ」や「横浜ニューテアトル」などを残すのみ。「再オープンを地元の人がとても喜んでくれて嬉しかった。映画を上映するだけでなく、地域を巻き込みながらイセザキの魅力とともに発信していきたい」と話す。

劇場も改装

 再開にあたり、老朽化していた劇場内装のリノベーション工事を行った。ゆったりと快適な時間を過ごせるようにと165席から102席まで座席数を減らし、以前より2回り大きいスクリーンを設置。さらにモノラルスピーカーからドルビーサラウンド5.1を導入し、女性トイレも増やした。

 番組編成の西村協さんは「昭和の香りが残る作品や横浜が舞台の作品など、地域性を出した映画も編成できたら」と意気込む。従来は全国ヒットした旧作を上映することが多かったが、今後は八幡さん自身が好きなドキュメンタリーやテーマ性のある作品のほか、女性の生き方を描いたものなど女性オーナーならでは視点で作品も上映していきたいと話している。

 12日のプレオープンイベントでは小津安二郎監督のサイレント映画「青春の夢いまいづこ」を柳下美恵さんのピアノ伴奏付きで上映。100人以上動員するなど、早速人気を博している。

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