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麻溝名産をPR 元祖キャンギャル!-「ごぼう娘」物語 昭和20年代 “美女9人組”各地で販促活動

公開:2011年2月24日

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運動会で「音頭」を披露する「娘」たち
運動会で「音頭」を披露する「娘」たち

 昭和20年代、麻溝地区では肥沃な黒土から生まれる「ごぼう」が特産品であった。育てられたのは1メートル以上の長さがあり、やわらかく、きめ細かな「滝の川」と言われる品種等。終戦直後から、市場で評判を呼び、各農家は生産を拡大。最盛期にはおよそ4tトラック1台分を毎日出荷していた。

 この麻溝の特産品を全国に売りだすため、結成されたのが「ごぼう娘」。地元青年団の文化部長を務めていた座間照義さん(南区下溝/81歳)が音頭をとり、古山地区に住んでいた女子団員9名を”キャンペーンガールに任命”した。当時流行っていた「素人芸能」の要素を組み入れ、イベントに参加するなど、出荷先の首都圏・阪神圏で販促活動を展開。オリジナルの「ごぼう音頭」も制作した。

 「娘」のメンバーは18、19歳の独身女性。青年団が優秀な人材をスカウトした。「美人も多かったよ」と座間さん。しかし、メンバーはそれぞれ結婚が決まると脱退。一人、また一人と離れていき、気が付けば「娘」は自然消滅…。活動期間は5年程度だったそうだ。また、時同じくして、ごぼう農家の数もゆるやかに減少。当時の生産はすべて人力によるもの。ごぼうは1・5メートル程度の深さに畝を耕さなければならず、それは畑作の中でもかなりの重労働にあたる。後継者問題が深刻だったのだ。

 当時活躍した「娘」は現在78、79歳となった。音頭のテープは残っているそうだが、さすがに踊りの再現は不可能という。「今も数こそ減っているけど、ここのごぼうの品質はピカイチだよ」。農家の苦労の賜物であり、”麻溝のアイドル”が全国に伝えた特産品。現在は「滝の川」以外の品種も含め、”麻溝ごぼう”として、年末各方面へ出荷されている。
 

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