南台・西澤さん "水の安心、取り戻したい" 半導体へも影響 「正しい知識を」NPO設立へ
福島第1原発の放射能漏れ事故を受けこのほど、南区南台在住の西澤茂郎さん(73)が代表となり、環境浄化のための新団体設立へ動き始めた。ネーミングは「NPO法人 水の安全を確保する会」を予定しており、現在、認可を受けるための申請を出している。
「水は生命にとっての命であるだけでなく、”社会全体”にとっての命です」-。電機メーカーで半導体製造などの分野に従事し、大学の非常勤講師も務めていた西澤さん。経験上、「今回の放射能による水質汚染の影響は、農・漁業の有機体の世界にとどまらない」と強調する。例えば、電子機器の半導体。それを内蔵した機器が放射線によって誤作動を起こす可能性が高まることは、学術的な論文などで多く発表されているという。「食品をはじめ、電気製品を作る過程で、洗浄などのために、必ず水が必要となる。その水が汚染されていては、社会全体の安全が保たれなくなります」。
ろ過技術に期待
西澤さんのほかに、臨床検査技師などの有識者らがこの団体には参加。主に、水環境に関する正しい知識を周知するための活動を展開する。また、将来的には、水の浄化技術として人工透析や、海水を真水にする際にも用いられるRO膜(逆浸透膜)を、一般に普及させることも視野に入れている。西澤さんは、「(ナトリウムより分子の大きい)プルトニウムなどの放射線同位体をろ過することは理論上、可能です」と期待を寄せている。
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