被災地の田んぼに再び実りを―。区内の造園会社が開発した有機肥料が、東日本大震災の津波で塩害を被った水田の土壌改良に、有効である可能性の高いことが分かった。同社が4月から実験を行っていた、被災地の宮城県仙台市若林区の農家では、稲穂が成長、この秋収穫に至った(=写真)。
この堆肥は、庭木の剪定木を有機化させたもので、南区磯部の(有)ワコーグリーン(柳谷和幸社長)により今年開発された。元々は園芸用として、連作などでやせた土壌の改良を目的とする。作物の育成に際して、有害物質や有害菌を分解、殺菌する働きがあるとのことだ。「(この原理を利用すれば)塩害を被った田畑に含まれる塩化ナトリウムにも有効なはず」と、同社では被災地での実験に乗り出した。
3分の2が実る
水田はポンプの故障で利用できなかったが、仙台市で農業を営む庄子衛さん・みち子さん夫妻が協力。庄子さんの水田の土を使用し、土だけの検体と、この土に有機肥料を混ぜた検体の2種類を用意。それぞれに田植えをしたところ、肥料なしの土では全く育たなかったが、肥料を含んだ検体では面積の3分の2ほどの収穫があったという。この成果に、庄子さん夫妻も驚きを見せ、「来年は本格的に使用したい」と喜んでいたそうだ。
同社の柳谷社長は「来年以降、現地で十分に提供できるよう、まずは量産を目指す」と話している。
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