乳がん「他人ごとじゃない」 女子美生 作品で啓蒙
女子美術大学(相模原キャンパス=南区麻溝台)の学生たちによる、ピンクリボン運動をモチーフにした300点以上の作品が、今月9日(火)まで、東京都新宿区のコニカミノルタプラザ(主催者)に展示されている。
ピンクリボン運動とは乳がんの早期発見、早期診断、早期治療を促す取り組みのこと。世界的な規模で行われており、日本でも10年ほど前から盛んになってきた。
今回の『ピンクリボン女子美アート作品展』は、同大学アートプロデュース表現領域・日沼禎子先生プロデュースのもと、「イキル・カラダ・ココロ〜私たちが結ぶピンクリボン〜」をテーマに開催。大学生の参加で、若年層への「乳がん」「ピンクリボン」の認知拡大を目的としている。
「ピンクリボンは聞いたことがあったけど、他人ごとだった」「乳がんは『二十歳を過ぎたら気をつけるもの』と知ってびっくり」。今回作品を提出した、同大学芸術学部4年の中野楓(かえで)さん、碓井(うすい)千弘さんはそう話す(いずれも工芸学科織(おり)コース)。2人を含む4人でチームとなり、リリアンで編んだ作品と、原毛(げんもう)を染めてフェルト状の層にした作品を、2週間かけて作り上げた=左上写真。「細胞」を想起させる秀作だ。「作ったことがきっかけで、『検診を受けよう』とポジティブな気持ちになりました」と、中野さんは展示に参加してから、自身の気持ちに変化が表れたそうだ。
300点 新宿に
同大学大学院2年の東(ひがし)麻奈美さん(洋画研究領域)も「女性の学校だから率先してこの運動を広げていきたい。この展示を機に、今は無関心な人も『気がつく』ようになれば」と出品を決めた。普段から「回転」をテーマに描いている東さんは今回、「ピンクリボン→女性にまつわるもの→赤ちゃん→キューピー人形」という連想で、人形をモチーフにしたオリジナルの”回転画”を制作=右写真。「美大生は作品で訴えることができるので、説得力があるはず。これからもこういう企画を続けてもらいたい」
会場には学生たちが創作したピンクリボン運動に関するアート、300点以上が揃う。すべて規定の木枠内に収まるように作られており(270ミリ×270ミリ)、同大学によると、「学校外の展示で、これだけの数が集まるのはとても珍しい」とのこと。なお、展示には杉並キャンパスの学生も参加している。
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