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さがみはら南区版 公開:2012年10月11日 エリアトップへ

思いきりソフトを グラウンドへ招待 被災地中学 「練習場がない」  

公開:2012年10月11日

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栃木県で合同合宿を行った中学女子ソフトボールクラブチーム「神奈川メサイア」と、被災地・岩手県宮古市の宮古第一中学校ソフト部
栃木県で合同合宿を行った中学女子ソフトボールクラブチーム「神奈川メサイア」と、被災地・岩手県宮古市の宮古第一中学校ソフト部

 中学生女子ソフトボールクラブ『神奈川メサイア』(南区東大沼/井上信幸代表)ではこの夏、東日本大震災の被災地・岩手県宮古市の中学校ソフト部と合同合宿を行った。いまだに練習場が十分に確保できない部を、思い切りプレーができるグラウンドへ招待。「ユニフォームが汚れるまで」、3日間一緒に、大好きなソフトボールに打ち込んだ。

 合宿は8月8日から10日まで、栃木県足利市研修センターで行われた。保護者ら含め、合計34名が参加した。

 メサイアと合同合宿を行ったのは宮古市立宮古第一中学校ソフトボール部。メサイアの指導にあたる齊藤政幸監督(日本体育協会ソフトボール指導員)が以前から、同部の顧問・監督、城内千賀子教諭と親交があり、今回の実施に至った。

 中学校はあの日の津波で、グラウンドひとつが流されてしまったそう。同校の部活動は残ったグラウンドで行なわれており、野球部、ソフトテニス部、サッカー部、陸上部、そしてソフトボール部が所狭しと混在する状態。それぞれの練習スペースは、ソフトボールのダイアモンドくらいの広さだという。

ユニフォーム汚れるまで

 さらに週末は地域の小学生、高校生にグラウンドを貸し出すこともあり、被災地では十分な練習がほとんどできないのが現状だ。

 そんな状況を知ったメサイアの齊藤監督は、ソフト部を招いての合同合宿を企画。場所は現地からの移動負担を考えて栃木県に。「今回のお誘いはとても有難いものでした。流された道具は何とか準備できましたが、場所だけはどうにもなりません」と、城内教諭は喜んで参加を決めた。

 合宿には群馬県、北海道から”全国レベル”の高校ソフト部も協力に訪れた。基礎練習を繰り返し、その間に練習試合も用意された。「一緒に活動して、子どもたちのキラキラした姿を見ることができて嬉しかったです」(城内教諭)。普段は”人ごみの中で練習”をしているため、ボールを追いかけなくても、すぐに誰かが拾ってしまう。今回、ひとつのボールに集中する、ごく自然な姿が、とても新鮮にうつったようだ。

 「きれいなユニフォームですね。新しいものですか?」。合宿の際、メサイアの保護者からそんな言葉をかけられた。実は、きれいなのは自由に練習ができていないから。新品同様に見えてしまうのだ。「今日は真っ黒になるまで練習しよう」。そんな城内教諭の呼びかけに、ユニフォームは今まで見たことがないくらい、汚れた。「一生懸命練習するということがどんなことなのか、少しわかった気がします。とても気持ちが良かった」(部員)。3日間の最後に齊藤監督は「君たちが全国大会にでれば、宮古市のみんなが喜ぶ。宮古市が元気になる。それが復興につながる」と、メッセージを送った。

 「合宿を通じて、違う場所にいても、強い絆で結ばれているんだと感じました。思う存分できて楽しかったです」と、宮古一中ソフト部主将の吉田萌さん(2年)。「まだまだ復興には時間が必要です。そんな中、私達がソフトをできるといことは素晴らしいこと、そしてそのことはみなさんの支援があったから。感謝の気持ちを忘れずにプレーしていきたいと思います。

―・―・―・―・―・―・

 神奈川メサイアは2011年3月に発足したばかりの、女子中学生を対象とした、県内唯一のソフトボールのクラブチーム。「ソフトボール部がない」中学校に通う生徒らが、県内だけでなく、東京、千葉からも集まっている。現在、メンバーは10名。ガールズソフトボールリーグに所属しており、今年の選手権大会ではベスト4に進出した。「ソフトが大好きな子と、彼女たちを応援する大人たちのチームです」(関係者)
 

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