南RC 机133セットを寄贈 被災地・大槌町 暑くて寒い仮設校舎へ
奉仕団体・相模原南ロータリークラブ(中川真澄会長)では先月21日、仮設校舎で授業を行っている岩手県大槌町(おおつちちょう)の町立大槌小学校に、新品の机と椅子133セットを寄贈した。昨年に続き、2度目の被災地支援活動となる。
「クーラーがあっても夏は室温が38度まであがったと。プレハブ造りだから断熱性は低い。冬は2度にまでなったと聞きました」。被災地に建てられた、小学校の仮設校舎=写真上の環境は、我々の想像以上のものかもしれない。
クラブでは義援金ではなく、「暮らしにあった支援を」という方針のもと、今回も物品を送ることに。今年7月、小学校に直接連絡をとり、現状必要としている品をたずねた。「全員分の机はあるのですが、色々な所から寄せ集めたもので、サイズがバラバラ。木製で重いため、児童が運ぶのも大変で…」(大槌小)。そこで、今回クラブではサイズのリクエストを受け付け、新品の机と椅子を寄贈することに。当日はクラブ会員3人が現地を訪問=写真下。先生たちは全員で出迎えて喜んでくれたそうだ。
一方で3人は児童や自分らが置かれている厳しい現状を打ち明けられた。先生たちは未だに折りたたみのパイプ椅子を利用している。本校舎の計画ははっきりしていないため、当分の間、暑くて寒いこの仮設での授業は続く。建物自体がリースなので、使い方も慎重になる。先はなかなか見えてこない。
「そんな状況を見ると、応援しないではいられない」。クラブで支援活動の中心になっているのは社会奉仕委員長の中村辰雄さん(中央区千代田)。津波で行方不明になった同校児童の記事に心を打たれたのがきっかけ。昨年5月、6月に辞書や鍵盤ハーモニカなどを個人で手渡した。そして、その活動はクラブに引き継がれ、10月、拡大複写機を贈呈。中村さんは今年3月、卒業式に招かれた。
富士山から元気
また、中村さんは趣味で日本全国の風景を撮影しており、昨年5月に小学校を訪れた際、自身が撮った「ダイヤモンド富士」(山頂部と重なり、太陽が美しく見える現象)の大型パネル=写真を学校にプレゼントした。その後、「おじさん、あの富士山ほしいな」という女の子のリクエストがあり、同じ絵柄の写真合計2000枚を送った。東北で暮らす人たちにとって、日本のシンボル・富士山は、関東の人より特別な存在であるそう。ある子は家に飾り、拝(おが)んでから登校をしているとか。「毎日この写真を見て、元気をもらっています」と、先生たちは話していた。
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今回、5回目の被災地訪問となった中村さん。「悲惨の一言。半年振りに大槌町に行きましたが、復興なんてとんでもなく、ただ雑草が増えていただけでした」。中村さんはすでに来年度の支援準備に取り掛かっている。「できる限りの支援を続けていきたい」と中川会長は話している。
大槌町は陸中海岸の最先端にあり、宮古市と釜石市の間に位置する。東日本大震災による津波の被害が、とても甚大だったエリアのひとつ。なお現在、この仮設校舎は、4つの学校が一緒に利用している(来年度に統合予定)。
15日、学校から感謝のファックスが届いた。「私たちはこの机とイスで楽しく勉強をしています。私は図工が好きです。図工は机の上で物を作ったりするのでとてもたすかっています。これからも支援していただいた机でほかの勉強もいっしょうけんめいがんばります」(小6女子)
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