温和な表情で昨年を振り返る佐藤暁区長
平成最後の年となる２０１９年の年頭にあたり、本紙では就任２年目を迎えた佐藤暁南区長との対談を企画した。これまでを振り返りながら、今後のまちづくりの展望などを聞いた。
安全安心に注力
―まず、２０１８年を振り返っての感想を聞かせてください。
安全安心な南区を実現するため、４月に交通安全、防犯、教育、福祉関係などの方々による「南区安全・安心まちづくり推進協議会」を設立し、学校や商業施設での交通安全キャンペーンや区民向けの防犯研修会などを行うと共に、学生の目線から交通事故防止等の活動を行う「南区学生自転車会議」の活動支援などを行いました。こうした取り組みにより、安全安心なまちづくりに向けて区民の皆さまと共に進めることができたと考えております。
その南区学生自転車会議が、８月に内閣府特命担当大臣表彰を受けたことも嬉しいニュースでしたし、相武台の小学生バレーボールチーム「北相ボーイズ」が全国大会に出場したのも嬉しかったですね。
また、南区はブラジル選手団の事前キャンプ地となり、南区内でもオリンピック・パラリンピックに向けた様々な取り組みがなされました。水泳や女子バレーボールのブラジル選手団がテストキャンプを実施しましたが、行政だけでなく地域の方も選手団を歓迎してくださり、とても嬉しく思いました。
―区長に就任されて２年目となりますが、南区に対するイメージは変わりましたか。
２０１７年４月に区長に就任しましたが、最初のイメージ通りの素晴らしい区だと実感しています。肩肘を張らずに過ごせる都会的な雰囲気と、身近に味わえる豊かな自然とのバランスというか調和が、うまく取れていると思いますね。いろいろな場面で多くの区民の方とお話をする機会をいただくのですが、人情味にあふれ思いやりの気持ちを大切にする方が多いとも感じます。
また交通の便がいいことも南区の魅力ですね。
魅力あるまちに
―今後のまちづくりについてお聞きします。
昨年に引き続き、区民の皆さんとともに地域防災体制の充実、交通事故防止に努めたいと思います。特に自転車による事故防止と、特殊詐欺などの犯罪被害の防止に力を注いでいきます。
本年２月には移転した麻溝まちづくりセンター・麻溝公民館が新たにオープンします。地域の拠点としての機能がさらに十分発揮できるよう、地域の皆さまと共に取り組んでまいります。また県道52号線と相模線の立体交差が完成すれば、県道の拡幅もさらに加速していくと思います。
南区区民会議では、昨年から検討している次期南区の基本計画策定案を今年中にまとめることにしています。地域の人々が街づくりに携わることのできる南区の新たな指針となる予定です。そのほか、圏央道相模原愛川インターチェンジ周辺における産業拠点の整備や、麻溝台・新磯野地区推進事業（Ａ＆Ａ）なども着実に進めておりますので、少しずつ目に見える効果が現れてくると思っています。
―２０１８年、南区民に驚きを与えたのが伊勢丹相模原店閉店のニュースでした。その影響についてはどのようにお考えですか。
相模大野駅周辺は、まちの広がりと人の回遊性を確保するため、駅前や店舗の立地する地域など３つの核にそれぞれ特色を持たせた三核構造のまちづくりを行ってまいりました。具体的には相模大野の駅ビル「ステーションスクエア」、西側地区に位置する「ボーノ相模大野ショッピングセンター」、そして「伊勢丹相模原店」と「相模女子大学グリーンホール」です。市では運営母体の三越伊勢丹ホールディングスに対し、これまでのまちづくりの考え方を継承していただくと共に、伊勢丹相模原店の閉店後においても、駅前周辺における商業や市民の生活環境への影響に十分配慮し、今後の取り扱いについても、検討していただくよう要望しています。
閉店後においても、これまで取り組んできたまちづくりを継承し、さらなる魅力あるまちづくりを進めていきたいと思います。
郷土に愛着を
―これまで様々な場所、イベントに参加されたと思いますが、お気に入りはありますか。
区内の各地域毎に、素晴らしい場所やイベントがあるのも南区の魅力だと思います。大野中地区でいえば「相模原よさこいＲＡＮＢＵ！」。躍動感が素晴らしく、観客として元気をもらえます。東林間の夏の風物詩「東林間サマーわぁ！ニバル」も華麗な阿波踊りに魅せられます。相模川の河川敷で行われる「相模の大凧まつり」も圧巻ですね。特に１トンもの勇壮な大凧が宙に舞う瞬間はゾクゾクします。まだご覧になっていない方には、ぜひお勧めします。
―最後に本紙読者に向けたメッセージをお願いします。
タウンニュースのコーナーでは「人物風土記」が大好きです。地域に色々な方がいるのを知ることができるのは嬉しいですね。あと、南区には相模原ギオンスタジアム、通称「ギオンス」があります。ＳＣ相模原とノジマステラ神奈川相模原、同スタジアムをホームグラウンドにしている地元サッカーチームがあるので、フットボール文化を南区にしっかりと根付かせ、地域の一体感と郷土に対する愛着醸成にも一役買っていただきたい。人と人とがつながり、頑張っている人をお互いに応援できるまち、そんなまちを皆様と一緒に作っていきましょう！
手ぶりを交えながら、南区について語る
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区長からも名前が挙がった南区を代表する伝統行事「相模の大凧まつり」。今年は新元号を題字にすることが決まっている。
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