区内駅閉鎖 相模線不通"学校に行けない" 光明学園=休校処置 養護学校「変化は苦手」
東京電力の計画停電の影響により、一部区間を除いて不通となっているJR相模線。南区内に位置する、原当麻駅と相武台下駅の間はまさにその不通区間。現在、駅構内に職員はおらず、窓口のシャッターは連日閉まったまま。「なぜ相模線だけ?」「地震以来、学校は休校です」─。沿線エリアの状況を探った。※こちらの内容は3月23日時点のものです。28日には全線50%の状況で、運転を再開しております。
横浜線と異なる電源
相模線は茅ヶ崎〜寒川の区間は部分的に運行しているものの、市内を縦断する橋本〜相武台下の区間では、計画停電が開始された14日以降、在来線の往来が一切ストップした。
同じ市内を走る横浜線は、停電が行われても、JRで発電した電力で一定の運行が可能だ。しかし、相模線の場合、東電に頼るしかない”電力供給のあり方”がネックに。「踏み切りなどでの安全な電力確保が難しい」とし、JR東日本では、全線運行は見送っている。「運転見合わせです」。薄暗くなった改札口に、不通の案内は張られ続けたままだ。
「なんでここだけ?」
「いつもより一時間、早く家を出ますね」。原当麻駅を通勤に利用するある男性の声だ。この駅を使う人の多くは、相模大野駅や相武台前駅に向かうバスを代替的に利用しているという。しかし、相模大野へのバスは1時間1本程度(相模線は1時間3、4本程度)。「首都圏のほかの路線は運行されているのに、なぜここだけそういう事態になるのか?納得がいかない」。憤りをあらわにする住民もいる。またこの地域へ毎朝やって来る人の生活にも影響は大きい。原当麻駅を最寄りとする、光明学園相模原高校では、生徒約1,300人の半数弱にあたる電車通学者を考慮して、休校の処置を続ける。
新学期、開校へ不安
光明学園は私立のため、小田原市や横浜市をはじめ、市内でも緑区青根や青野原(旧津久井町)など、遠方から通学する生徒も少なくない。「全線開通のメドが立たないのでは、4月になってもどうなることか」と、新学期に不安を残す春休みを迎えている。
開通は「停電次第」?
同校から程近い、県立相模原養護学校高等部(南区当麻)では、休校の措置はとらなかったものの、同校に通う1/6ほどの高校生が、23日時点でも通学困難 な状況に置かれている。「普段乗り慣れている電車ならば問題ない。いつもとは異なるバスに、いきなり乗るのは困難ですよ」と話すのは、養護学校の職員。一 般的に、知的障がい者は、環境の急激な変化への適応が難しい場合が多い、といわれている。地震当日の11日は卒業式だったため、生徒は午前中で帰宅。「も し、電車に乗っているときだったら、生徒たちは相当パニックになっていたと思う」。
市都市鉄道・交通政策課によれば、運行は未定で、「計画停電が終わるか、そのエリアから外れないと普及できないのでは」と、見解を寄せている。
〈3月23日取材〉
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