統合失調症やうつ病など、精神障がいを抱える人が全国的に増えている。相模原市では現在、8千人から9千人が生活していると推測される(市調べ)。そうした現状を受け、南区新磯野在住の日本画家・戸田みどりさん(63)らが中心となって3年前から、障がい者が書いた詩と絵画がコラボレーションした展示を毎年行っている(主催/「詩と絵画のコラボレーション展」実行委員会)。
これは、こうした心の病を持つ人の詩に合わせて、プロ・アマの画家が絵画を描き、連動させて一つの芸術として観賞してもらおうというもの。本日8日(木)から市民ギャラリー(中央区相模原)で開催されている。
厚生労働省の調べでは、平成14年に258万人だった精神障がいの患者数は、平成20年には323万人に増加。「ごく身近な人がこの障がいを抱えるようになって。本当に大変な社会問題だと感じました」。戸田さんの家族の一人は8年前、統合失調症を患った。幻覚・幻聴に悩まされるようになり、「家族が自分を殺すのでは」という強迫観念にとらわれ、戸田さんに包丁を向けたこともあったという。
「中にはすごく上手に表現する人もいる。彼らの詩に絵を描いてくれませんか?」。数年前、戸田さんが所属する、ある芸術団体へ声がかかった。病気の苦しみや将来への不安、生活の中での楽しみなど、自由に思いのたけがつづられた、ひとつひとつの精神障がい者の詩。それに絵筆をとったのがはじまりとなった。
今回、詩を出品したタオルさん(ペンネーム)は、市内に暮らす50代の統合失調症の女性。冬景色をテーマに、樹氷を見て驚いている心境を表現した。この詩を読んで、絵を担当したのは田嶋京子さん(南区麻溝台)。約1ヵ月かけ制作にあたったという。「このコラボレーション自体が交流ですが、一般の方々が作品に触れることで、この病への関心が高まれば」と、戸田さんは話している。
展示される詩は、これまでで最多となる69点。戸田さんをはじめ、市あじさい大学OBら総勢69人が詩とペアになる絵画の作成にあたった。展覧会の入場は無料。12日(月)まで。午前10時〜午後6時(初日午後1時〜/最終日〜午後3時)。問事務局【電話】042・759・5117(カミング)
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