南区南台のカフェギャラリーシードでは10月4日(金)から、『有紀子展〜有紀子が絵の中に残していったもの〜』を開催する。女子美術大学(麻溝台)の1年生だった佐藤有紀子さんは、在学中の2010年に、19歳でこの世を去った。ギャラリーには有紀子さんが生前に描きためた作品から10点ほどを展示する。
佐藤有紀子さんは、茨城県水戸市の出身。高校生の時、「絵を通してなら自分の気持ちを伝えられる」と気が付き、念願だった女子美術大学へ進学した。洋画を専攻し、2010年10月には同ギャラリーで、大学の同級生ら11人とグループ展覧会を開催。そのわずか2カ月後、自ら命を絶ったという。
「その時から茫然自失の日々を過ごしていましたが、その中で湧き上がってきた思いが、娘が精一杯生きた証をこの世になんとしても残してあげたいという強い願いでした」と、母・菜穂子さんは打ち明ける。有紀子さんの日記や絵画を一冊の本『有紀子』(角川学芸出版)にまとめ、有紀子さんの誕生日にあたる今年4月23日に出版した。
そして同じく今年4月、有紀子さんの生まれ育った茨城の地で、約20点の作品を集め、個展を開催。菜穂子さんは、「有紀子を小さい頃から知る人たちと、きちんとお別れをすることができましたし、また、娘が一生懸命生きてきたことを知って頂くことができました」と振り返った。
また今年2月頃、菜穂子さんは同ギャラリーオーナーの内藤美佐子さんに相模原での個展開催を相談。内藤さんは快く引き受けた。「『シード』のある相模原という地は、有紀子の通っていた大学があり、友人と一緒に初めて展覧会を開いた思い出の場所。ここで個展を開くことで、有紀子に神奈川の地ときちんとお別れをさせてあげたい」と菜穂子さんは相模原での個展開催への思いを話す。ギャラリーの内藤さんは、「グループ展での有紀子さんの様子を今でも覚えています。今回、たくさんの方に観ていただきたい」と呼びかけている。
個展は9日(水)まで。午前11時から午後7時。一般入場無料。詳細はカフェギャラリーシード【電話】042・785・3533へ(南区南台6-18-5 103/木曜定休)。※下写真は、2010年シードで開催したグループ展で、自身の作品を前に、母・菜穂子さんと並ぶ有紀子さん(手前)
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