アメリカンフットボールの日本最高峰・Xリーグ1部所属の地元チームのノジマ相模原ライズは11日、NPB(日本野球機構)・プロ野球の横浜DeNAベイスターズで活躍した石川雄洋選手の入団を発表した。同日にオンラインで記者会見が行われ、「自分の挑戦によって勇気を与えられたら」と意気込みを示した。NPB出身者のアメフト転身は初。
石川選手は現在34歳。静岡県出身で、横浜高校時代は甲子園に2度出場。2004年にドラフト6位で当時の横浜ベイスターズに入団し、12年には横浜DeNAベイスターズの初代キャプテンに。19年には1000本安打を達成。20年に戦力外通告を受けチームを退くと、昨年、現役引退を表明した。
セカンドキャリアを考える中、高校時代にアメフト部の同級生が多く、彼らのプレーを見て興味を持ったことや、以前自主トレーニングで訪れた米国のアリゾナ州でNFL(同国のアメリカンフットボールリーグ)のフィラデルフィア・イーグルスの選手たちと練習を共にする機会に恵まれ、刺激を受けたことなどを回想。自身がアスリートとして不完全燃焼であり、「まだまだ体が動く。甘くはないと思っているが、以前から関心があったフットボールにチャレンジしたい」との熱い思いが込み上げ、4月中旬からトレーニングを開始。スポンサーであるノジマを通じて石川選手の挑戦への熱意を伝え聞いていたライズ側が受け入れる意思を示したことから、今回、入団の運びとなった。
契約は2年。プロ契約ではなく、他の日本人選手と同様にまずは選手登録枠(新人15人、全体65)の選出に向け練習に励む。背番号は未定。チームには6月1日から合流する予定で、ポジションはパスキャッチやスピードを求められるWR(ワイドレシーバー)に挑戦する。
記者会見で城ケ滝一朗ヘッドコーチは石川選手から転身への思いを聞いた際に感銘を受けたことを明かし、「一緒に日本一をめざしたいと思った」と口にした。
石川選手は挑戦について悩んだ末、「人生一回だけ。やらないと後悔すると思った」と当時の心境を振り返り、受け入れたライズに感謝を示した。「相模原の子どもたちにプレーを通じて伝えたいことは」との本紙の取材に対しては、「自分も新しいことにチャレンジする。相模原の子どもたちの中にも、そうした何かチャレンジをしようとしている子や、うまく行かなくて悩んでいる子たちがいたら、皆に勇気を与えられるような選手になりたい」と力強くメッセージを送った。
過去には元横綱も
プロ選手を引退後、ライズに転身した例としては、過去に元横綱・3代目若乃花がいる。石井光暢GMは会見でこの点に触れ、「前身のチームから受け入れる風土が他よりもある」とし、「今回の石川選手は特例でなく、フットボール界全体に刺激を与えるチャレンジなら応援していきたい」と強調。「トップ選手がフットボールに挑戦することで、ファンも魅力的に映っているのでは」との見解を示した。
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