防災の日タウンレポート 安全は自らの手で 一之宮西自治会の取り組み
9月1日は防災の日。東日本大震災の発生で防災に対する意識がさらに高まるなか、寒川町では自主防災組織として自治会ごとに活動が行われている。中でも、積極的な防災対策を行っている一之宮西自治会(斉藤正信会長)を取材した。
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同自治会が本格的に防災の強化を始めたのは平成19年度からだ。「安心・安全な町づくりは重要な課題です。行政や消防任せでなく自分たちで充実を図らなければ」と斉藤会長は話す。初年度、住民説明会で祭りなどに充てていた会費を防災に使う承認を受け、まず組織作りに乗り出した。
通常、災害時の消火・救出救護・給食給水担当などは自治会役員が兼任する。しかし1年任期で入れ替わるため、手順が分からなかったり、機材が使えないという問題が発生しがちだ。そこで任期を定めない『防災専門部会』を設け、担当者を固定化し迅速な対応が取れるようにした。
続いて防災倉庫と資機材の充実に着手。当初、約740世帯3200人を抱える同自治会に1つしかなかった防災倉庫を3つに増やした。購入した資機材は分散させ保管。毎年点検、更新している。また、実際に住んでいる人数や高齢者が何人いるかなどをまとめた防災住民台帳、マップ、要援護者台帳も整備した。
こうした自治会の防災対策指針は消火器や一時避難場所の位置などと共に冊子にまとめられ、自治会員に配布。周知を図ったことが住民の防災意識の高まりに繋がっており、訓練時には毎年350〜550人が参加するという。
今年は防災訓練でソーラー発電の検証も
同自治会では、10月第4日曜日を『一之宮西自治会防災の日』と定め、自治会の防災訓練を行っている。今年は、本番さながらに安否確認カードで家族の避難状況を集計。この集計にはパソコンを活用し、電源にはソーラー発電とバッテリーを導入。災害時に利用できるかを検証するという。
斉藤会長は「私たちのような組織作りを導入する自治会が他にも出てきました。こうした取り組みが少しずつ広がっていけば」と話した。
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