子宮頸がんワクチン被害 もっと実態知ってほしい 寒川在住母親が訴える
子宮頸がんワクチン接種による副反応被害者の母親で、寒川町内に在住のAさん(仮称)が「実態をもっと知ってほしい」と本紙の取材に応えた。Aさんによると「症状を訴えても同ワクチン接種が原因と認めてもらえず、苦しんでいる人が多いのではないか」と危惧している。
子宮頸がんワクチンの副反応は、倦怠感や体の痛みなどを訴えることが多く、手足が本人の意思とは関係なく、勝手に動いてしまうような症状も。
Aさんの娘が体の異常を訴え始めたのが、接種から1ヵ月後。当初は原因がわからず、あらゆる治療を試みたが、回復には向かわなかったという。現在もけいれんなど重い副反応が出ており、学校を休むことも多い。「原因がわからず、お医者さんも困惑していました。思春期の中高生ですから、精神科へ回されるケースも多いそうです」とAさん。発症から1年後にようやくワクチン接種が原因とわかり、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会に登録したという。
今月、神奈川県が発表した県内のワクチン副反応報告者の数は22人。「副反応に悩まされている方はもっといると思います。被害者として副反応報告状況に挙げられるには、保護者と医療機関の報告書が必要です。しかし、原因が明確にならないため、医師から報告書をもらうことが難しい。また市町村で止まってしまっている報告書もあるようです」とAさん。実際には副反応に苦しむ被害者がかなり多いのではないかと訴える。さらに「因果関係が認められていないので、治療費の補助は一切されていない」という。厚生労働省のホームページによると「補償にあたっては専門家からなる国の審査会で因果関係についての審議を行う」としており、補償実現へのハードルは高そうだ。
Aさんらは全国子宮頸がん接種被害者連絡会に登録をし、全国の同志とネット上などで情報交換を行っている。10月には神奈川支部を発足させ「今後は支援を呼びかけていきたい」と話している。
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