藤が岡出身の大西祐貴さん(36)が営む「Japanese Soba Noodles 蔦(つた)」=東京都豊島区=が、12月4日に発売された「ミシュランガイド東京2016」で一つ星の評価を受けた。ラーメン店の一つ星獲得は、116年のミシュランガイド史上初。
「ミシュランガイド」は飲食店の料理そのものの評価やサービスの質、コストパフォーマンスなどを格付けしている。
JR巣鴨駅南口そばにある「蔦」は、マンションの1階にあるカウンター9席の小規模店で、開店と同時に2時間待ちの行列ができることも多く、1日に150〜180食の注文が入るほど支持を得ている。化学調味料は使用せず、イタリア産のトリュフオイルや内モンゴルの岩塩、アサリなど、特徴的な素材を使う。麺づくりの際に石臼を使って香りを際立たせるなど、食材のうまみを最大限に引き出すために細部までこだわっている。
2012年の開店以来、日々味を変え続けているという大西さんは、「せっかく食べに来て下さるからには、家庭では味わえないものを作って提供したい。目指す味の探求に終わりはない」と話す。
藤沢との縁
大西さんは藤沢駅近くで父親が営んでいたラーメン店「めじろ」で5年ほど働いた後、新聞販売の営業職や以前から憧れていたアパレル業界に転身するなど、一旦は飲食業から離れていた。「当時はあまりラーメンに夢中になれなかった」と振り返る。仕事で海外出張を重ねるうちに日本の食文化の素晴らしさを改めて実感し、都内に移転した「七重の味の店 めじろ」で再び修業し直す。地元神奈川で独立を考えたこともあったが、「勝負するなら激戦区東京で」と、巣鴨に「蔦」をオープンさせたという。
「ラーメンは作り方も食材も縛りがなく、自由でおもしろい。自分の味が高い評価を受けたことは嬉しい。ラーメンを日本が誇る麺料理として、自分の味を探し続けていきたい」。
兄で鵠沼桜が岡のラーメン店「麺やBar 渦」オーナーの大西芳実さんは「ラーメンの味が世界に認められたことで同業者の励みになったのでは」と話した。
「蔦」の大西さんは今年1月から毎週火曜日限定で店名を「味噌の陣」として弟子たちに店を任せるなど、後進育成にも力を入れている。
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