画家・山内龍雄氏の作品を集めた「山内龍雄芸術館」(羽鳥5の8の31)が4月16日(土)に開館する。運営は同所に隣接する画廊「ギャラリー・タイム」(須藤一實代表・67)。須藤代表は画商として30年近く、山内氏の制作と生活を支えてきた。「藤沢の名所にしたい」と語る。
山内氏の油彩画は絵具を塗り重ねるのではなく、キャンバスが紙のように薄くなるまで削り、絵具を奥まで入れていく独特の方法で描かれる。21歳から独学で絵を描き続け、2013年に63歳で逝去するまでに紙や油彩など約600点の作品を残した。
07年からは海外にも進出。ヨーロッパや台湾での展覧会では「まったく見たことのない絵画」と多くのメディアや専門家から絶賛され、絵の前で涙を流す人や手を合わせる人もいたという。
画家と画商の二人三脚
藤沢市出身で画商として都内の画廊に勤めていた須藤代表が山内氏に出会ったのは1984年。山内氏の出身地からほど近い、北海道釧路市で開かれた展覧会で顔を合わせた。その数カ月後、山内氏は金銭的な事情から「絵を買ってほしい」と6年がかりで描いたという小さな1枚の絵を須藤代表に差し出した。『一輪車を持てる人』と題されたその作品の純粋さに魅せられた須藤代表は絵を購入することに。以降、”山さん””スーさん”と呼び合うほどの友情が生まれ、須藤代表は88年に山内氏の作品を紹介する「ギャラリー・タイム」を創設。二人三脚で歩んできた。
常時約30点を展示
須藤代表の自宅敷地内に開館する山内龍雄芸術館には、「山内を世に残し、誰にもできなかったことを最初にやる素晴らしさを伝えたい」との思いを込める。年に2、3回作品を入れ替え、常時約30点を展示する予定。7月末まで行う「開館記念展」には2人を結び合わせた『一輪車を持てる人』や代表作の『老賢者と少年』も展示するという。藤沢市内には芸術の拠点が少ないことも開館へ強く背中を押した。「いろんな人に来てもらって、見てもらいたい」と須藤代表は話す。
開館時間は正午から午後5時。火・水・木曜日休館(冬期・夏期長期休みあり)。入館料は500円・学生250円。
詳細は同館【電話】0466・33・2380または【URL】www.yamauchitatsuo.net/へ。
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