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残留孤児支えた日本語教室 絆深める役割担う

社会

公開:2015年1月15日

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参加者からは「楽しい」との声が上がっている
参加者からは「楽しい」との声が上がっている

 市内に住む中国残留孤児が集い、交流を深めようと設立された相模原市中国帰国者の会(ひまわり会/島村公子代表)が主催する日本語教室が、昨年12月26日、横山公民館で行われた。

 同会は代表の島村さんを中心に、中国から帰国した孤児らで集い、中国の旧正月である春節を共に祝うことで、地域に馴染めずに孤独を抱えた孤児の気持ちを共有できる場をつくろうと約20年前に発足した。現在は、帰国者とその配偶者約25人が所属し、ほとんどの会員が70歳を超える。

 会では日本語教室を週1〜2回実施しており、病院で診察の際に必要な言葉など日常生活ですぐに使える日本語を中心に学習している。加えてスカイツリーや富岡製糸場など市外への旅行や太極拳教室といった帰国者同士で交流を深められる催しや生活相談なども開催。会員の憩いの場となっている。

帰国者の自立支援

 中国残留孤児とは、1945年の終戦間際に開拓団として一家で中国の旧満州地区に入植し、その後、旧ソ連軍の侵攻による戦禍や飢餓、疾病などで肉親を亡くし、中国で孤児となった人々のこと。ほとんどの孤児が中国の養父母に引き取られ、72年の日中国交正常化を機に帰国するまでの間、中国での生活を余儀なくされた。そのため日本語はもちろん、文化や習慣も全くわからない状態で帰国し、地域の中で孤立してしまった人も少なくない。

 当日、教室に訪れていた男性は、孤児として中国人家族に預けられ、現地で出会った中国人の妻とともに帰国した過去を持つ。中国では「小日本鬼子」といじめられ、帰国後も日本語を話すことができなかったため、差別を受け「自分は中国人なのか日本人なのかわからなくなった」という。男性の中国人の妻も、帰国当初は言葉が全く通じず、職場に行く道もままならなかった。「毎日泣きながら仕事をした」と振り返る。同夫妻をはじめ、同様の境遇を持つ多くの帰国者たちがこうした日本語教室を通して日本語を学び、日本文化に馴染んだという。家族8人で入植し、一家離散後、中国人家族に育てられ帰国した女性も「この会では、日本語や日本文化、料理を学ぶことができて楽しい」と笑顔を見せる。

 一方で、中国残留孤児の集まりは高齢化から参加者が減少している現状もある。代表の島村さんは、「今後も皆で協力して会を継続させていきたい。会員同士で助け合っていければ」と話した。

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