麻布大学(浅利昌男学長)の茂木一孝准教授の研究室では実習の一環として、東日本大震災で保護された犬のトレーニングを行っており、現在、新たな飼い主となる里親を募集している。同実習は5年目。毎年、福島県の動物保護センターから数頭を引き取り、学生らが傷ついた犬の心のケアを行い健康な状態へ戻れるようにトレーニングしている。
今年はいわき市・郡山市から6頭を引き取った。「仮設住宅の問題などで、今の時期でも犬を手放す家庭もある。震災直後と比べると、犬を取り巻く環境はよくなってきていますが、まだまだ課題はある」と茂木准教授は話す。捨てられたり、放浪経験のある犬たちはそれぞれにストレスを抱え、人間とのふれあいを怖がることが多いという。こうしたストレスを癒すため、研究室の学生ら48人は、8人1チームとなって土日も欠かさず犬との交流を図っている。
学生らは、約半年間のトレーニングを振り返り、人間との交流にもすっかり慣れた様子の犬を前にして「早く良い里親さんが見つかってほしいけれど、寂しい気持ちもある」と口を揃える。茂木准教授は、「引き取れる数は少なく微力ですが、被災した福島について考えるきっかけになれば」と話している。
詳細は同大学HP(被災犬里親募集ページ)にアクセスまたは、麻布大学伴侶動物学研究室【FAX】042・850・2513か【メール】azabutraining@gmail.comへ。