コロナの影響を受け、ジュニア世代のスポーツ大会も中止が相次ぐ中、子どもたちの思い出づくりや、可能性をつなぐために動く市内団体らの動きが見られる。コロナ禍の中、活動する様子を見た。
10年前から 市ゴルフ協会
市内で、ジュニア世代の支援にあたる団体の一つが、今年設立30周年を迎えた「相模原市ゴルフ協会」。およそ10年前から、市内の小学校や中学校に通う児童生徒らを中心としたジュニア世代がゴルフに打ち込める環境をつくるため、子どもたちのための練習会や試合を組んでいる。
昨年、所属していた山口すず夏さんがプロデビューを果たすなど、これまで同協会は3人のプロ選手を輩出。子どもたちの可能性を広げてきた。
「協会を活性化させようとジュニアの受け入れを始めたが、子どもたちの夢を手助けするのは楽しいよ」と設立以来、会のまとめ役である事務局長を務めてきた長谷川一弘さんは手元にある資料を見ながら微笑む。
練習会を再開
コロナの感染拡大が進んだことから、同協会も今春以降、練習会や試合などを中止にしていたものの、8月下旬には恒例のレッスン会を開催。感染防止策を徹底した上で長谷川さんらは子どもたちのプレーを見守った。
「多くの子どもたちが参加してくれた。子どもたちの夢をつないでいくのが我々の役割と考えています」と長谷川さん。
今回開催したレッスン会には、相模原近郊の学校に通う児童生徒らにも声をかけたことから、より多くのジュニアゴルファーが参加してくれたのだという。「保護者の皆さまも積極的に手伝ってくれる。コロナに負けず、子どもたちの夢をつくる場として活動を続けていきたい」と力を込める。
中学校でも
一方で、5月に中止が決まった市中学総合体育大会の代替大会が今月、本格的にスタート。市内各地で全14競技が現在、大会規模を縮小して開催されている。
主催する市中学校体育連盟がめざすのは、生徒らの思い出づくり。「最後の大会」が消滅した3年生のための大会として関係各所と協議を重ね、開催にこぎつけた経緯がある。
「保護者などから代わりとなる大会を開いてほしいという要望があった。子どもたちの思い出となる大会になってもらいたい」と上西雅巳会長(南区・新町中学校校長)。最終日の今月27日まで引き続き、生徒や教員らの安全確保を最優先事項として開催していきたいとしている。
コロナ禍でも
また、コロナ禍でも、ジュニア世代が生き生きとスポーツに取り組める環境をつくりたいと10月、清新に新しいインドアテニススクールが完成する予定だ。
主宰するのは相模原出身の平本照生さんが代表を務める「Dテニススクール」。「子どもたちがわくわくする場になればと、さまざまな企画を考えていくつもり。遊園地で感じるような、どきどき感をおくりたいと考えています」と工事中の施設を見ながら平本さんは話す。そして、「子どもたちが羽ばたくきっかけをつくるのが我々大人たちの役割と考えています」