市内在住の陶芸家・二木好文さん(73)がこのほど、(公財)陶芸文化振興財団主催による、第47回陶芸美術館展覧会「抹茶茶碗コンテスト」で準グランプリにあたる美術館賞に輝いた。
「桑の落葉が出生の大土に帰るさまを映して文様とした」という、受賞作品「帰土」(直径16cm・高さ5cm)は、葉に調合した白い粘土を塗り黒陶土に転写、素焼き後に墨呉須(顔料)を薄くかけて焼き上げた作品。「精緻な葉脈の姿を陶土に転写するには葉の化学的処理と白粘土の調合の技が必要で、3年ほど試行を重ねた」と二木さんは説明する。薬の量や温度によって世界に1つだけの色を表現する釉薬。二木さんは陶芸仲間から「釉薬の魔術師」と呼ばれ、陶芸財団展大賞や新院展特選など、数多くの賞を受賞している。
二木さんは「釉薬の世界は深い、自分はまだまだ。今後も種々の科学技法を組み合わせ、新しい技での美術表現を志向していく」と意気込んだ。
さがみはら中央区版のローカルニュース最新6件
|
アゴラ春号5月3日 |
|
|
|
|