はやぶさ2プロジェクトマネージャの津田雄一さんを招き、由野台中学校で昨年12月21日に講演会が行われた。サプライズでの開催としたため、生徒からは驚きとともに喜びの声が上がった。同校とJAXA相模原キャンパスは近隣の位置関係にあるが、こうした交流行事の実施は初めて。
講演は、同校の特別支援学級の生徒11人がはやぶさ2カプセルの地球帰還を祝して制作した「おかえりはやぶさ2」と記した掲示物が発端。これが津田さんをはじめJAXA関係者の目に留まり感銘を受けたことから、JAXAからのお礼の意味を込めて実現した。企画をめぐっては3年生の担当教諭を中心に進行。昨年、コロナ禍で修学旅行などのイベントが相次いで中止となる中、思い出をつくってもらおうと、生徒たちには明かさずにサプライズで開催することになった。
当日は進路指導を受ける目的で生徒たちが体育館に集合。その後、津田さんが講演のために来校したことが告げられ生徒たちに驚きが広がる中、津田さんが笑顔で登場すると、大きな拍手で出迎えた。
仲間と目標に向かう大切さ訴え
はじめに津田さんが、「はやぶさ2カプセルの地球帰還をリアルタイムで見た人」と質問。数人が手を上げたことに感心した様子を見せると、はやぶさ2プロジェクトの始まりから打ち上げ、そしてカプセルの地球帰還までを説明した上で、小惑星リュウグウの凹凸の激しい地形にクレーターをつくりタッチダウンを成功させたことや、採取したサンプルに大きな成果が出ている状況を紹介した。とりわけ、600人もの関係者がプロジェクトにかかわったことからチームワークの大切さについても言及。小中学校時代に学級活動や部活動での経験で得られた、仲間とともに目標に向かって進めていくことの重要性を指摘し、「(小中学校の時代に)チームづくりの基礎を学んだ。仲間と一緒にやっていくことを大切にしてほしい」と呼びかけた。
質疑応答の場面では、宇宙工学の専門家に対し難問、珍問が続出。「宇宙と地球ではどちらが身長が伸びるか」、「宇宙でテニスをしたらどうなるか」、などのユニークな問いに津田さんは一つひとつ丁寧に答え、生徒たちも興味深々な様子で耳を傾けていた。
最後は支援学級の生徒たちが津田さんに花束を進呈し、3年生全員で合唱曲「地球星歌〜笑顔のために〜」を歌い上げた。生徒会長の八木菜結唄さんはあいさつで、「学校の隣でこのような神秘的な研究をなされていることがわかり、宇宙についてより一層興味深く感じることができました」と喜びを口にした。
嶋野智文校長は「仲間と協力していくことの大切さが聞かれた。生徒たちはこの言葉をかみしめて残りの学校生活を過ごしてほしい。3年生にとっていい思い出になったのでは」と話し、津田さんに感謝を示した。
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アゴラ春号5月3日 |
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