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【6】相模原司法制度改革懇話会の発足 連載 相模原の「司法」を考える 寄稿 大谷豊弁護士

社会

公開:2021年7月1日

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 このシリーズコラムでは、相模原の司法の現状と課題について、市にゆかりのある弁護士が解説する。大谷豊氏が担当。

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 労働審判制度は審判員3名、裁判員裁判制度も裁判官3名(他市民である裁判員6名)で行われ制度であり、どちらも3名の審判員と裁判官が合議で審理される制度です。しかし、相模原の裁判所で審理される裁判はすべて裁判官1名で行われる単独制です。相模原の裁判所で労働審判や裁判員裁判を実施するためには3名で審理される裁判が行われなければなりません。合議制による審理です。

 裁判所相模原支部が設置されるに際し、最高裁は、設置当時52万人都市の相模原市が将来も発展することをみて、「裁判所支部の機能は、合議事件の取り扱いを含めた中核機能を備えたものにしたい」との考えを示しました。審議員意見書に基づいて司法制度改革が進み各種制度が創設された2001年当時、裁判所相模原支部管内人口は80万人を超えていました。それにもかかわらず裁判所相模原支部では合議制の審理も行われることはなかったのです。決して中核機能を備えた裁判所ではないのです。

 そこで、常々相模原市民に対して司法サービスの充実を図ることを考えていた相模原市の市民相談担当者と弁護士が声を上げて、合議制の実現、市民にとって身近で使いやすい司法の実現をめざしての運動が始まったのです。

 まずは、このような相模原の司法の現状を市民に訴えようとイベントを企画し、その結果、02年1月25日に市民集会が実施される運びとなりました。相模原市の市民に向けて、相模原の裁判所では合議制の審理・労働審判を行っていないことを知ってもらおうというものです。この集会を開催するにあたって、相模原市の協力を得ながら、同じく合議制を扱っていない管内人口120万人を超えているさいたま地方裁判所越谷支部で弁護士業務を行っている弁護士、相模原近郊に在住している憲法・行政法・民事訴訟法学者である大学の教授などに声をかけ、皆さんの賛同を得て、あじさい会館にて開催されました。

 開催にあたって、石坂浩二主演の「裁判員-決めるのはあなた」の映画も上映しています。集会には130名以上の市民が参加されました。市民の司法に対する期待がうかがわれ、この集会が契機となり、一つの大きなものとして、相模原地域での司法制度改革に向けて継続して活動していくような組織づくりが始まりました。これが同年11月9日に発足した相模原地域司法改革懇話会です。もう一つの動きが神奈川県弁護士会(当時は横浜弁護士会)の動きです。次回はこれらを紹介します。

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