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相模原郷土懇話会 機関誌で「開拓」まとめる 第1弾大野台 27号発刊

社会

公開:2023年6月8日

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会の集まりで説明する大貫さん
会の集まりで説明する大貫さん

きっかけは市史

 相模原の歴史を学び、地域の文化向上と発展に努める団体「相模原郷土懇話会」はこのほど、機関誌「郷土相模原27号」を発刊した。今回は大野台地区の開拓についての特集を組んでいる。

 「平成の相模原市史現代通史編(2011年発行)は期待していただけに満足がいかないものがありました」。5月26日に市立図書館で開かれた集まりの中で、大貫英明会長(緑区大島)は27号の発刊にあたりそう切り出した。大貫さんによると当時、編さんは大貫さんをはじめ「市民参加型」で行われたが、結果、できあがった市史は「学者頼み」の部分が強く感じられたという。大貫さんは「残念な結末」と振り返った。

課題も明らかに

 そこで同会では「相模野の昭和の開拓史」をテーマに調査を開始。「急激な都市化」となった相模原が抱える矛盾と課題を明らかにしようとした。27号はその第1弾として昭和にあった大野台地区の開拓を取り上げている。

 大貫さんは今回、市史で「開拓団の入植で最も早いのは1941(昭和16)年頃から始まった大野第一開拓団」という記載に対し、「大野台第一・旧称『北海道部落』は開拓団による開拓ではない」と指摘する。「1940(昭和15年)に北海道から来た前田徳次郎さんが、個人的に始めた開拓を嚆矢(こうし)とし、前田さんと同じ北海道からの入植者やブラジル、パラオなどの入植経験者、さらに近隣からの入植者も加わり1947(同22)年頃には30世帯ほどの集落が形成された。『大野第一開拓団』なるものは存在しない」としている。

 「学者がつくる歴史書に我々は何を学ぶことができるのか。郷土に生きる人がその自然や社会が抱える歴史的課題を知り、何を見つめ、何を許してはいけないのかを学べる記録を作り、伝えていきたい」。同会は今回の大野台地区をきっかけに今後、麻溝台や星が丘の開拓についても調べていく予定という。

希望者に提供

 郷土相模原は市内図書館で閲覧可能。希望者には提供も。問い合わせは大貫さん【携帯電話】080・5042・9805。

27号の表紙にある地図。昭和30年頃に作成されたものとされる。左上にあるのは「キャンプ淵野辺」。その近くには「大和」という今はない表記も見られる
27号の表紙にある地図。昭和30年頃に作成されたものとされる。左上にあるのは「キャンプ淵野辺」。その近くには「大和」という今はない表記も見られる

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